16:30 〜 16:45
[MIS27-08] 歴史地震と気象庁カタログの連続性を考慮した震度データ点カタログ
キーワード:歴史地震、震度データ点、地震カタログ
歴史地震については,収集した史料の記述などに基づいて各地点での震度が推定され,それをもとに震央,震源や規模が推定される.その結果をとりまとめた歴史地震のカタログがいくつか発表されている。各地点での震度データである,震度データ点(IDP)についても,『わが国の歴史地震の震度分布・等震度線図』や『日本歴史地震総表』がまとめられており,最近オンラインのデータベースとして公開された.現在発生する地震については,気象庁が『地震月報(カタログ編)』の一部として整備しているものがある。1919年まで遡って整備され,オンラインで公開されている.
歴史地震と現在発生する地震のそれぞれで整備されたカタログについて,これらの震度データ点を統合して検索,表示できるようにすれば,歴史地震の震央の推定や震度推定の妥当性の検討などに便利である.しかし,ふたつのカタログの違いについて,注意して統合する必要がある.大きな違いとして,震度の扱いと観測点の位置の精度が挙げられる.震度については,現在のカタログでは観測データにもとづき気象庁震度階での震度と計測震度が与えられている.歴史地震の場合は,気象庁震度階に合わせて推定された震度が与えられている場合と,「地震」「強地震」など,震度でなく史料の記述をもとにした表現が与えられている場合とがある.観測点位置については,現在のカタログは震度観測点の位置(地理座標)が測量により与えられている.歴史地震については,史料の記述などから記録された地点判断されるが,その精度はまちまちである.建物のレベルで特定できる場合もあれば,村あるいは郡,場合によっては旧国の範囲でしか分からない場合もある.前述の『わが国の歴史地震の震度分布・等震度線図』では,便宜的に現在の市町村レベルで与えられている場合が多い.歴史地震についてはさらに観測点を特定し,カタログに登録する作業が必要である.また,カタログを統合する際には,特に歴史地震のカタログにおいて,どの精度で震度や観測点を記載しているかの情報を提供する必要がある.
歴史地震と現在発生する地震の震度データ点を統合しても,観測点分布は異なる.観測点分布が異なる震度分布を比較する際には,仮想的な震度データ点をつくり,そこでの震度を推定することが有効である.そのためには,距離減衰式による震度の推定(予測)や地形・地盤分類による浅層地盤の増幅率分布を利用した震度分布の補間などの手法が利用できる.本発表では,統合した震度データ点のカタログと,仮想的な震度データ点の情報を合わせて表示するシステムを提案する.
歴史地震と現在発生する地震のそれぞれで整備されたカタログについて,これらの震度データ点を統合して検索,表示できるようにすれば,歴史地震の震央の推定や震度推定の妥当性の検討などに便利である.しかし,ふたつのカタログの違いについて,注意して統合する必要がある.大きな違いとして,震度の扱いと観測点の位置の精度が挙げられる.震度については,現在のカタログでは観測データにもとづき気象庁震度階での震度と計測震度が与えられている.歴史地震の場合は,気象庁震度階に合わせて推定された震度が与えられている場合と,「地震」「強地震」など,震度でなく史料の記述をもとにした表現が与えられている場合とがある.観測点位置については,現在のカタログは震度観測点の位置(地理座標)が測量により与えられている.歴史地震については,史料の記述などから記録された地点判断されるが,その精度はまちまちである.建物のレベルで特定できる場合もあれば,村あるいは郡,場合によっては旧国の範囲でしか分からない場合もある.前述の『わが国の歴史地震の震度分布・等震度線図』では,便宜的に現在の市町村レベルで与えられている場合が多い.歴史地震についてはさらに観測点を特定し,カタログに登録する作業が必要である.また,カタログを統合する際には,特に歴史地震のカタログにおいて,どの精度で震度や観測点を記載しているかの情報を提供する必要がある.
歴史地震と現在発生する地震の震度データ点を統合しても,観測点分布は異なる.観測点分布が異なる震度分布を比較する際には,仮想的な震度データ点をつくり,そこでの震度を推定することが有効である.そのためには,距離減衰式による震度の推定(予測)や地形・地盤分類による浅層地盤の増幅率分布を利用した震度分布の補間などの手法が利用できる.本発表では,統合した震度データ点のカタログと,仮想的な震度データ点の情報を合わせて表示するシステムを提案する.