日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD39] Micro-satellite and its constellation in remote sensing

2021年6月4日(金) 17:15 〜 18:30 Ch.19

コンビーナ:高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)

17:15 〜 18:30

[MSD39-P02] 衛星コンステレーションおよび地上局ネットワークのための管理システムSOMの初期設計および試行運用

*坂本 祐二1、藤田 伸哉1、白石 尚也1、桒原 聡文1、栗原 純一2 (1.東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻、2.北海道大学大学院理学研究院)

キーワード:超小型衛星、衛星運用、地上局

衛星運用における管理者の人的労力、人的ミスの軽減を達成し、データ利用ユーザの観測要求を迅速に運用計画に反映させる、衛星運用システムの概念および初期運用事例を紹介する。データベースの容量の範囲で、制限数のない衛星群、地上局群、ユーザ群(非宇宙系事業者含む)が利用できる。地上局シェアリング、衛星運用管理支援、衛星データ管理および配信のプラットフォームである。本システムは、非宇宙系事業者を想定したオンデマンド・スペクトル計測サービスへと発展する。東北大学が運用管理する4機の衛星、3基の地上局で初期運用を開始し、2022年末までに、10機の衛星、6基の地上局へとシステムを拡大する。
 中核のWebサービスはSOM (Satellite Operation Management)とSDM (Satellite Data Management)である。ユーザ要求に応じて、地上局・衛星間の通信機会、衛星による目標地点の撮像機会、および通信データ・撮像データのアーカイブをインターネット経由で提供する。要求からデータ配信まで即時性が求められるため、衛星および地上局の全自動化が目標となる。
 本システムは、新規衛星事業者の開発負担を大きく軽減できる。衛星計画作業は、運用作業において多大な時間を要し、人的労力と人的ミスを軽減する仕組みが必要である。通信タスクと撮像タスクの時刻は自動計算されるため、各タスクに用意されたコマンドテンプレートを結合し、実行時刻を自動修正する機能を提供する。運用計画者は、各衛星固有の設定 (電力管理やメモリ管理等) の最終確認に労力を割けばよく、各衛星固有の最終確認ソフトウェアを開発するなど、エフォートを集中できる時間が生まれる。