09:45 〜 10:00
[MSD40-04] 気象・海洋・陸面予測を革新する高頻度衛星観測網の設計事前評価プラットフォーム
キーワード:数値天気予報、データ同化、観測システムシミュレーション実験、プラットフォーム、衛星観測
天気予報、水文災害予測や水産資源の維持管理等の実応用のために、衛星によってどのような物理量をどの程度の頻度で観測することが有効か、データ同化技術により衛星計画の事前評価を行う仮想実験プラットフォームを提案する。提案者らは、主に気象学に関する数値計算シミュレーションと観測データを最適に繋ぐデータ同化研究で、スーパーコンピュータ「京」や気象衛星ひまわり8号などの最先端技術を駆使して世界をリードしてきた。これにより、ひまわり8号の10分毎の高頻度観測により台風や集中豪雨の大幅予測改善が得られ、30分毎では不十分であることが分かった。高頻度観測は、大気だけではなく海洋や陸面の予測にも有効だと期待できる。そこで、気象・海洋・陸面予測革新のため,準天頂軌道衛星や多数の小型低高度軌道衛星など日本域を高頻度に観測する衛星観測網の可能性を探るため、先端的データ同化技術を駆使した衛星計画事前評価のための仮想実験プラットフォームを提案する。他提案衛星計画との連携も図りつつ、我が国の費用対効果の高い衛星ミッションの実現に貢献する。
・期待される科学の成果
1. 高頻度衛星観測網の設計による科学成果
搭載可能なセンサーとその有用性に関する知見を獲得することが可能である。観測システムシミュレーション実験や観測インパクト推定など先端的データ同化技術により、可視、赤外、マイクロ波、レーダ等の観測をある時空間的な密度で得られた場合の効果を定量化できる。また本提案では、衛星データをリアルタイムに処理して、地球環境予測に利用する。それに伴う、ビッグデータ処理技術の革新も期待できる。
2.データ同化技術としての科学成果
ビッグデータを有効に利用するための新手法の開発は必須であり、データ同化の理論研究として新たな発展が期待できる。また、新規衛星ミッションの事前評価手法の発展も科学的・経済的観点から重要である。
・アウトカム
1.天気予報、農業収量予測、水産資源分布の予測など、地球環境予測の改善とそれに伴う社会的価値の創造
2.高精度な気象予測による、人的・経済的被害の低減
3.実際の予測に役立つ観測技術を明らかにし、新規観測コストを削減
4.衛星ビッグデータの有効な活用によるスマート社会Society5.0の実現
・技術の特色
①優位性:
世界をリードする計算資源による豊富な計算能力、大規模計算に向けたプログラム開発実績、地球科学分野のデータ同化研究の最先端技術
②成熟度:
既に衛星観測に関する観測システムシミュレーション実験の実績を多数有する。加えて、データ同化に必要な衛星観測シミュレータの利用開発実績を有する。また、これまでに利用されていなかった観測を有効に活用するための技術開発実績を有する。
③人材確保と育成:
研究代表者と共同研究者らにより十分に人材は確保されている。また、グループの主催するデータ同化スクールや研究会等によりデータ同化研究プロフェッショナルの人材育成・コミュニティの発展を図る。
・将来展望
米国では、地球観測衛星の新規計画に観測インパクト推定による事前評価を必須にする動きが見られる。衛星観測に限らず、国家規模で行う計測技術開発ミッションには、計測データの価値を事前に示すことが今後スタンダードになると思われ、本提案はその嚆矢として位置付けられる。将来的には、複数モデルによる評価を行えるようにプラットフォームを拡張し、複数アンサンブルで観測価値を評価することが望ましい。これにより、単独モデルの固有のバイアスの影響を緩和することができる。生物・生態系のモデルには地球システムモデル等大型モデルへのデータ同化システム適用やそのモデルパラメータ推定も併せて必要となる。気象分野を超えて本プラットフォームを活用するには、更なる研究開発が必要であり、最先端の科学研究となる。
・期待される科学の成果
1. 高頻度衛星観測網の設計による科学成果
搭載可能なセンサーとその有用性に関する知見を獲得することが可能である。観測システムシミュレーション実験や観測インパクト推定など先端的データ同化技術により、可視、赤外、マイクロ波、レーダ等の観測をある時空間的な密度で得られた場合の効果を定量化できる。また本提案では、衛星データをリアルタイムに処理して、地球環境予測に利用する。それに伴う、ビッグデータ処理技術の革新も期待できる。
2.データ同化技術としての科学成果
ビッグデータを有効に利用するための新手法の開発は必須であり、データ同化の理論研究として新たな発展が期待できる。また、新規衛星ミッションの事前評価手法の発展も科学的・経済的観点から重要である。
・アウトカム
1.天気予報、農業収量予測、水産資源分布の予測など、地球環境予測の改善とそれに伴う社会的価値の創造
2.高精度な気象予測による、人的・経済的被害の低減
3.実際の予測に役立つ観測技術を明らかにし、新規観測コストを削減
4.衛星ビッグデータの有効な活用によるスマート社会Society5.0の実現
・技術の特色
①優位性:
世界をリードする計算資源による豊富な計算能力、大規模計算に向けたプログラム開発実績、地球科学分野のデータ同化研究の最先端技術
②成熟度:
既に衛星観測に関する観測システムシミュレーション実験の実績を多数有する。加えて、データ同化に必要な衛星観測シミュレータの利用開発実績を有する。また、これまでに利用されていなかった観測を有効に活用するための技術開発実績を有する。
③人材確保と育成:
研究代表者と共同研究者らにより十分に人材は確保されている。また、グループの主催するデータ同化スクールや研究会等によりデータ同化研究プロフェッショナルの人材育成・コミュニティの発展を図る。
・将来展望
米国では、地球観測衛星の新規計画に観測インパクト推定による事前評価を必須にする動きが見られる。衛星観測に限らず、国家規模で行う計測技術開発ミッションには、計測データの価値を事前に示すことが今後スタンダードになると思われ、本提案はその嚆矢として位置付けられる。将来的には、複数モデルによる評価を行えるようにプラットフォームを拡張し、複数アンサンブルで観測価値を評価することが望ましい。これにより、単独モデルの固有のバイアスの影響を緩和することができる。生物・生態系のモデルには地球システムモデル等大型モデルへのデータ同化システム適用やそのモデルパラメータ推定も併せて必要となる。気象分野を超えて本プラットフォームを活用するには、更なる研究開発が必要であり、最先端の科学研究となる。