日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD40] 将来の衛星地球観測

2021年6月4日(金) 09:00 〜 10:30 Ch.08 (Zoom会場08)

コンビーナ:本多 嘉明(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、高薮 縁(東京大学 大気海洋研究所)、Shinichi Sobue(Japan Aerospace Exploration Agency)、山本 晃輔(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)、座長:本多 嘉明(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、山本 晃輔(国立研究開法人宇宙航空研究開発機構)

10:15 〜 10:30

[MSD40-06] 静止衛星海色ミッション

*石坂 丞二1、虎谷 充浩2、平譯 享3、平田 貴文4、小林 拓5、作野 裕司6、比嘉 紘士7 (1.名古屋大学宇宙地球環境研究所、2.東海大学工学部、3.北海道大学大学院水産科学研究院、4.北海道大学北極域研究センター、5.山梨大学大学院総合研究部、6.広島大学大学院工学研究科、7.横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院)

キーワード:静止衛星、海色

気候変動によって海水温や淡水流入が大きく変化する状況で,もともと人為的影響を大きく受けてきた沿岸の海洋生態系は更に大きく変化しつつあると考えられる.海色の観測によって植物プランクトン,懸濁物,塩分,藻場など沿岸の生態系の状況の連続的把握が可能になりつつある.しかし,雲によって妨害される可視域観測では,河川水や潮汐など短期間に変化が起こりやすい沿岸域において,特に雲の多い時期・場所で十分なデータが得られない.「ひまわり」の時間単位の高頻度な観測によって,短期間の変動ともに,雲の多い時期・場所での観測が可能になることが明らかとなった.一方で,十分な海色の情報を取得するには波長数や放射輝度分解能が不足している。そこで,海色バンドを更に加えた静止衛星海色センサによる高頻度・高解像度・高輝度分解能の観測をここに提案する.これによって,赤潮や河川水な沿岸漁業・養殖業等に影響を与える現象のモニターや沿岸の物質循環に関わる観測が可能である.また,日本だけではなく,人間活動と気候変動の影響を大きく受け,雲が比較的多い東南アジア域の沿岸域においても,環境の把握に貢献することが可能である.さらに海洋だけではなく,大気(エアロゾル粒子)や陸域(植生)の観測にも有効と考えられる.