日本地球惑星科学連合2021年大会

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[O-02] 自然災害と人 ~ジオパークで地球の声に耳を澄ます~

2021年5月30日(日) 13:45 〜 15:15 Ch.01 (Zoom会場01)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(糸魚川市役所)、横山 光(北翔大学)、座長:佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(糸魚川市役所)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)、今井 ひろこ(コムサポートオフィス/和歌山大学国際観光学研究センター)、横山 光(北翔大学)

14:15 〜 14:45

[O02-02] 南紀熊野の自然災害と先人の知恵

★招待講演

*福村 成哉1、本郷 宙軌1 (1.南紀熊野ジオパーク推進協議会)

キーワード:ジオパーク、洪水、地震、津波

南紀熊野では、日本屈指の降水量と南海トラフでの沈み込みにより、豪雨や地震・津波の被害を受けてきた。そこで、南紀熊野の自然災害と先人から受け継がれてきた記憶を紹介する。

①豪雨がもたらす災害

豪雨による洪水や土砂災害は地形的な要因により、同じ地域で繰り返し起こる。例えば新宮市熊野川町日足(ひたり)地区は、頻繁に洪水が起こる。この日足という地名は、大雨が降ると水に浸る(ひたる)ことから、地名が付いたとされる。その他にも洪水や土砂災害について想起させる地名が数多く存在する。ここでは自然現象を地名とすることにより、昔の人たちが脅威に備えた歴史について紹介する。また、平地が少ない南紀熊野では、農耕を行い、暮らしを守るための治水について紹介する。

②地震・津波がもたらす災害・津波伝承碑

南紀熊野は南海トラフでの地震の度に津波にも襲われてきた。ジオパークエリア沿岸の4町だけでも津波伝承碑は29基あり、そのうち24基は津波の到達記録である。しかし津波により家屋への被害があっても、また同じ場所に家屋を建設することは珍しくなかった。実際に津波伝承碑周辺にも現在も住み続けている場合は多い。この津波伝承碑の分布と、地域の産業、そして2011年の東北地方太平洋沖地震以降の人々の暮らしについて紹介する。