17:15 〜 18:30
[O02-P11] 土佐清水ジオパーク構想における自然災害碑の保全と活用
キーワード:自然災害伝承碑、地震、津波、水害
土佐清水ジオパーク構想エリアに当たる高知県土佐清水市は、広く太平洋に面した立地から、南海トラフ地震およびそれにともなう巨大津波による被害が懸念されている。白鳳地震、宝永地震、安政南海地震、昭和南海地震といった過去の南海トラフ地震においても、地震や津波によって甚大な被害を受けており、その様子は文献や碑などに残されている。土佐清水ジオパーク構想では、エリア内に現存する南海トラフ地震および津波に関する記録が刻まれた石碑7基を「地震・津波関連碑群」として文化サイトに指定していた。しかし、保全に法的な根拠が伴っていないことが2017年の日本ジオパークネットワーク加盟審査において指摘された。加えて、防災教育等への活用も十分に進んでいない状況だった。
これらの課題を解決するため、土佐清水ジオパーク協議会では、2019年に市民団体や土佐清水市と連携し、エリア内に現存する過去の自然災害を記録した碑の悉皆調査を行った。その結果、すでにサイト指定されていた地震・津波碑群に加え、水害など他の自然災害に関する碑が13基現存することが明らかとなった。これらの碑を国土地理院の「自然災害伝承碑」として登録し、特に歴史的価値の高いものを市指定有形文化財として登録した。
土佐清水ジオパーク推進協議会ではこれらの碑を地震・津波災害だけでなく水害や台風被害も含む「自然災害碑群」として再整理し、防災学習や防災・減災啓発への活用を推進している。2020年度には地元の小学校で自然災害碑を活用した防災学習を行った。また、改訂中の教育委員会発行の社会科副読本へ自然災害碑を掲載するなど学校教育での活用が始まっている。加えて、土佐清水市における防災担当部署である危機管理課と連携し、一体的な防災・減災活動の実現に向けて取り組みを進めている。
ここでは土佐清水ジオパーク構想における自然災害を記録した石碑の保全・活用のこれまでの取り組みについて報告する。また、自然災害碑の活用を軸とした、市民や自治体と協働した防災・減災活動の展望について述べる。
これらの課題を解決するため、土佐清水ジオパーク協議会では、2019年に市民団体や土佐清水市と連携し、エリア内に現存する過去の自然災害を記録した碑の悉皆調査を行った。その結果、すでにサイト指定されていた地震・津波碑群に加え、水害など他の自然災害に関する碑が13基現存することが明らかとなった。これらの碑を国土地理院の「自然災害伝承碑」として登録し、特に歴史的価値の高いものを市指定有形文化財として登録した。
土佐清水ジオパーク推進協議会ではこれらの碑を地震・津波災害だけでなく水害や台風被害も含む「自然災害碑群」として再整理し、防災学習や防災・減災啓発への活用を推進している。2020年度には地元の小学校で自然災害碑を活用した防災学習を行った。また、改訂中の教育委員会発行の社会科副読本へ自然災害碑を掲載するなど学校教育での活用が始まっている。加えて、土佐清水市における防災担当部署である危機管理課と連携し、一体的な防災・減災活動の実現に向けて取り組みを進めている。
ここでは土佐清水ジオパーク構想における自然災害を記録した石碑の保全・活用のこれまでの取り組みについて報告する。また、自然災害碑の活用を軸とした、市民や自治体と協働した防災・減災活動の展望について述べる。