日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-05] 博士ってどうやったらなれるの?どんな仕事があるの?

2021年6月6日(日) 13:45 〜 15:15 Ch.01 (Zoom会場01)

コンビーナ:阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)、堀 利栄(愛媛大学大学院理工学研究科 地球進化学)、座長:堀 利栄(愛媛大学大学院理工学研究科 地球進化学)、新井 真由美(日本科学未来館)、阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)、小口 千明(埼玉大学大学院理工学研究科)

14:50 〜 15:05

[O05-06] 研究者から連続スペシャリストへ 研究者、村役場、そして起業

★招待講演

*大岩根 尚1 (1.合同会社むすひ)

大学・大学院にて地質学・海洋地質学を学び、2010 年に東京大学で環境学の博士号を取得。卒業後は国立極地研究所に特任研究員として就職。2011 年、第 53 次日本南極地域観測隊として南極内陸の調査に参加。気候変動に関連する調査・研究に従事した。
2013 年 10 月、研究者を辞め鹿児島県で人口規模最小、かつ3つの離島からなる自治体である三島村の役場職員に転身。研究者を積極的に受け入れ、共著の論文を公表、またその成果を村の広報活動や現地でのネイチャーガイディングに還元するなど、2015年の同村のジオパーク認定を主導した。このような地球科学を活用した村の活性化を行う傍ら、企業や学生向け講演や執筆活動を行い、県内外の教育・啓蒙活動にも尽力した。
2017 年に三島村役場を辞して同村の硫黄島に移住、「合同会社むすひ」を立ち上げる。自治体、企業、地域、学校や個人としてのSDGs・気候変動対策の取り組みを、ワークショップや対話を通じて生み出すことを、新たに仕事にしている。
地質学の研究者としての生き方から、専門性を活かしつつ幅を広げ、行政職員として、自然ガイドとして、環境活動家として、ファシリテーターとして、新たな仕事を生み出してきた。研究者としての一つの専門性だけでなく周辺分野の専門性を高め、「連続スペシャリスト」としての働き方を模索・実践している。
気候危機やプラスチック、感染症など世界規模の課題が膨らむ中で、これらをよりよい世界を築くための変化の機会ととらえ、前をむいて活動に取り組む人を増やすことに生きがいを感じている。