日本地球惑星科学連合2021年大会

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[J] ポスター発表

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[O-07] 高校生ポスター発表

2021年6月6日(日) 13:45 〜 15:15 Ch.27

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

13:45 〜 15:15

[O07-P06] 電磁波による地震予知
~被害地震の前兆を捉えて減災の実現にⅡ~

*政 雅之1、*酒井 望1、佐々木 道哉1、加藤 将平1、矢ヶ崎 旺輔1、藤原 瑞穂1、八島 舞花1 (1.東京都立多摩科学技術高等学校)

キーワード:地震、予知、電磁波放射

本研究は、 地震による前兆現象とされる電磁波放射を検出し、地震予知を可能とするため、地震前兆による電磁波放射観測をおこない、信号強度と継続時間、放射方向のデータの関係から地震マグニチュード、震央の地域を予測する。また、被害地震に伴う前兆現象を捉える。

 測定は、地表面から電離層間で発生する電磁波放射を2台の受信機で信号強度を1秒毎に記録している。アンテナは、17m高に設置し無指向性と指向性アンテナを用い地域特定の判定に使用する。信号強度データと落雷データ、電離層データ、太陽活動データ等を含め総合的に判断し、地震の前兆として決定する。また、東日本大震災時に発生した現象の基準レベル低下が、観測データに検出されるかを確認する。

 本校での地震前に発生する電磁現象の観測は、9年目になる。先行研究に沿って、観測を続けているが、校舎の隣をJR東日本の中央線が運行されていて小規模の前兆が、判断し難いことも判明をした。電車による雑音であることは、毎日午前1時から午前4時までの間が、零近い値になっているので予測していたが、電車であると判断できたのは、昨年のJR中央線計画運休であった。日中においても、零に近い値を示していた。先行研究の新宿区内のデータと比較してみると、レベルの大きな信号については多くの点で、一致している。しかし、高レベル部分だけで、全体把握がされないので、規模の小さい地震の前兆は予想され難い。新宿観測データと組み合わせれば、予測率は上がっている。

 2021/2/13~3/20の間に、宮城、福島、茨城で発生したM4.5~M7.2地震の前兆を捉えることができた。2011/3の東日本大震災の信号変動に酷似し、無信号時の基準レベルも、変動していた。レベル低下は、短時間で変動幅も少なかった。この現象は、観測点で大きく揺れを感じないと現れない現象でもある。

  本研究では、観測場所がJR中央線沿線で常時、低レベル信号(500mV程度)の放射は起こっている。新宿観測点の環境の良い信号レベルは得られてはいないが、マグニチュード規模の小さい地震の前兆を捉えられない。著しくレベル低下が現れたのが、2015/9/12調布(M5.2)地震であった。東日本大震災の新宿観測点データでは、大きく100mV低下がみられたので、被害地震の前兆に、本校観測データも大きく低下すると推測される。東日本大震災に起こった多様な電磁気現象を詳しく調査、利用できるデータを収集しながら被害地震を予知する。観測地点の違いで、信号レベル発生が時間軸的にずれを生じていたが、今回、大きな時間的のずれはなかった。地震の震央地点から前兆信号が発生するとして考えているが、地殻変形が時間に伴って電磁波放射が発生すると考えられる。今回の地震は、全体的な大きな移動と仮説を立てる事が出来る。
 本研究は、観測点を増やし、発生のメカニズムを解明したいと思っている。