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[O07-P09] コーヒー豆滓を用いた有機フッ素化合物の吸着
キーワード:コーヒー豆滓、有機フッ素化合物、吸着
発癌性物質である可能性、環境蓄積性、難分解性を持つ有機フッ素化合物という物質がある。この内ペルフルオロオクタンスルホン酸(以下PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(以下PFOA)は生活関連製品に広く利用されていた。近年まで有機フッ素化合物はその化学的安定性から生活関連製品を中心幅広く利用されており、特に撥水コーティング加工等に用いられているが、用いられたその多くが環境に流出してしまっている。それにより近年では有機フッ素化合物の環境汚染について多くの報告がされている。一方、コーヒーは世界中で愛飲されている飲料であり消費量は年々増加している。しかし、抽出残差であるコーヒー豆滓のほとんどが食品廃棄物として焼却されている。そこで、コーヒー豆滓の有効活用の一つとして有害物質の吸着剤としての活用法が模索されている。 本研究では、コーヒー豆滓が有害物質に対して吸着能力を有することは知られているが、有機フッ素化合物に対する有効性は判明していない。そこで、コーヒー豆滓を用いた吸着剤を作成し、有機フッ素化合物今回は特にPFOS及びPFOAに対する吸着能力の有無を解明するものである。結果として、コーヒー豆滓の新たな再利用価値を見つけ、環境汚染や食品廃棄物の排出を抑制出来ればより良いと考えている。今回行った際には、未処理、煮沸処理、漂白処理、炭化処理(240℃、400℃)の各処理を加えたコーヒー豆滓と活性炭とPFOAが多く含まれた環境水(井戸水)を用いて通水実験を行った。各処理についてはコーヒー豆滓に処理を加えることで吸着能力が変化するのではないかと考え、上記の4つの処理条件で豆滓試料を作成した。通水実験では通水実験用のカラム管装置を今回行った実験に適すように材料を集め作成し、微調節を行った。得られた結果からコーヒー豆滓がPFOAに対する吸着能力を有することがわかった。また、各処理を加えることで殆どのコーヒー豆滓の吸着能力を向上することが可能であることがわかった。炭化処理については、より高温で処理したほうが吸着能力を向上させることが判明した。