13:45 〜 15:15
[O07-P21] 太陽黒点数と台風の関係
キーワード:台風、太陽、黒点
はじめに
私は気象と天文を結び付けることができないかと考え、太陽に着目した。太陽は断続的に地球へ莫大なエネルギーを与え続けており、地球上の気象環境に影響を与えているはずだと思われたからである。また、日本に毎年被害を与える台風の予測にも役立つと考えたため、台風との関係を調べることにした。本研究の目的は、太陽の活動が台風の個数、強度に影響を与えていることを示すことである。
研究等の方法
太陽の活動の活発さについては、黒点相対数を見る。黒点相対数とは、太陽全面に現れる黒点により太陽活動を表す指数で、黒点相対数をR、観測方法、観測装置、観測者の個人差を補正する係数をk、黒点群数をg、全黒点数をsとすると、
R=k10g+s (1)
と定義される。台風の定義は北西太平洋に存在する最大瞬間風速34ノット(17.2m/s)以上の熱帯低気圧だが、ここでは全球に存在するものも含む。ACEとは熱帯低気圧積算エネルギーのことで、熱帯低気圧の勢力と寿命を表す指標である。長期間にわたる推移をみるために、1951年から2020年までの黒点相対数と台風の数およびACEをネット上で公開されているデータを用いてまとめた。
結果と考察
図1は1951年から2020年までの黒点相対数と北西太平洋の台風数の関係を表したものであり、図2は1990年以降の2年タイムラグ相関を表している。これらの図から、1990年以降は台風の数が黒点相対数の変化に2年遅れて変化していることがわかる。このときの相関係数は0.47であった。図3は1951年から2020年までの黒点相対数と全球の台風数の関係を表したものだが、北西太平洋で見られた2年遅れの相関関係は見られなかった。
また、相対黒点数とACEの関係についても調べたが、特に関係は見受けられなかった。
これらから考察すると、太陽の活動が直接台風に影響を与えているとは断定できないが、少なくとも関係はあると考えられる。1990年以降にみられた2年のタイムラグ相関はとても弱いものの、他と比べて明らかに強くなっていた。しかし、この関係は1990年以降の西太平洋に限定したものである。その原因として考えられるのは太陽の活動以外の台風に影響を与えている要因である。例えばエルニーニョ現象についてはACEとの関係があることがわかっている。これらすべてを調べることは難しいが、タイムラグ相関があった1990年以降の西太平洋と、それ以外の地域や時期の違いについて調べることで太陽の影響についてより詳しく調べることができるだろう。
おわりに
一部ではあるが、太陽の活動が台風の数と関係していることが分かった。今後の課題はほかの要因についても考える必要があることである。そのため、まずはタイムラグ相関がある時期とない時期の気象的な違いについて調べていく。
謝辞
本研究に終始適切な助言を賜り、丁寧に指導して下さった佐藤友華子先生に感謝いたします。
参考文献
国立天文台 https://www.nao.ac.jp/
気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/index.html
SILSO www.sidc.be/silso/
IBTrACS https://www.ncdc.noaa.gov/ibtracs/
National Hurricane Center
https://www.ncdc.noaa.gov/ibtracs/
宮原ひろ子 2009-12太陽活動と宇宙線、そして気候変動
私は気象と天文を結び付けることができないかと考え、太陽に着目した。太陽は断続的に地球へ莫大なエネルギーを与え続けており、地球上の気象環境に影響を与えているはずだと思われたからである。また、日本に毎年被害を与える台風の予測にも役立つと考えたため、台風との関係を調べることにした。本研究の目的は、太陽の活動が台風の個数、強度に影響を与えていることを示すことである。
研究等の方法
太陽の活動の活発さについては、黒点相対数を見る。黒点相対数とは、太陽全面に現れる黒点により太陽活動を表す指数で、黒点相対数をR、観測方法、観測装置、観測者の個人差を補正する係数をk、黒点群数をg、全黒点数をsとすると、
R=k10g+s (1)
と定義される。台風の定義は北西太平洋に存在する最大瞬間風速34ノット(17.2m/s)以上の熱帯低気圧だが、ここでは全球に存在するものも含む。ACEとは熱帯低気圧積算エネルギーのことで、熱帯低気圧の勢力と寿命を表す指標である。長期間にわたる推移をみるために、1951年から2020年までの黒点相対数と台風の数およびACEをネット上で公開されているデータを用いてまとめた。
結果と考察
図1は1951年から2020年までの黒点相対数と北西太平洋の台風数の関係を表したものであり、図2は1990年以降の2年タイムラグ相関を表している。これらの図から、1990年以降は台風の数が黒点相対数の変化に2年遅れて変化していることがわかる。このときの相関係数は0.47であった。図3は1951年から2020年までの黒点相対数と全球の台風数の関係を表したものだが、北西太平洋で見られた2年遅れの相関関係は見られなかった。
また、相対黒点数とACEの関係についても調べたが、特に関係は見受けられなかった。
これらから考察すると、太陽の活動が直接台風に影響を与えているとは断定できないが、少なくとも関係はあると考えられる。1990年以降にみられた2年のタイムラグ相関はとても弱いものの、他と比べて明らかに強くなっていた。しかし、この関係は1990年以降の西太平洋に限定したものである。その原因として考えられるのは太陽の活動以外の台風に影響を与えている要因である。例えばエルニーニョ現象についてはACEとの関係があることがわかっている。これらすべてを調べることは難しいが、タイムラグ相関があった1990年以降の西太平洋と、それ以外の地域や時期の違いについて調べることで太陽の影響についてより詳しく調べることができるだろう。
おわりに
一部ではあるが、太陽の活動が台風の数と関係していることが分かった。今後の課題はほかの要因についても考える必要があることである。そのため、まずはタイムラグ相関がある時期とない時期の気象的な違いについて調べていく。
謝辞
本研究に終始適切な助言を賜り、丁寧に指導して下さった佐藤友華子先生に感謝いたします。
参考文献
国立天文台 https://www.nao.ac.jp/
気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/index.html
SILSO www.sidc.be/silso/
IBTrACS https://www.ncdc.noaa.gov/ibtracs/
National Hurricane Center
https://www.ncdc.noaa.gov/ibtracs/
宮原ひろ子 2009-12太陽活動と宇宙線、そして気候変動