13:45 〜 15:15
[O07-P22] 福井地震断層の探究パートⅨ
キーワード:福井地震、断層、震度5弱
私たち9月4日に学校祭の片付けをしているときに震度5弱の地震に見舞われた。その大きな地震に衝撃を受け、この地震の断層面を特定することにした。また、震度5弱の地震は、1948年に起きたマグニチュード7.1の福井地震以降の福井県北部で震度5弱が観測された地震である。今回の地震の本震は、歪集中帯上にあった。歪集中帯とは、2018年の兵庫県南部地震以降発見されたマグニチュード7付近の地震が集まる地震帯だ。また日本は海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む場所に位置しているので、両側から圧縮する力が働いてできる逆断層や力が働いた層が横にずれる横ずれ断層がある。地下の断層面と震源の位置の関係のイメージ。本震の時に断層が大きくずれ、その断層面上で余震が起こる。そのため余震の震源分布と断層面は一致する。そこで私たちは余震の震源分布を調べることで9月4日の本震の断層面を特定した。
福井工業高等専門学校の岡本教授や先輩方の先行研究により、福井県北部の福井平野の西縁部には断層があると予想されている。今回の震度5弱の本震は、地図上の河合付近に位置するので、この予想されていた断層上で発生したのではないか考えた。
研究方法について説明する。本研究は1から5の手順で行った。まず、手順1の地震のサンプリングでは、防災科学技術研究所hi-netの永平寺観測点で観測された地震のうち、本震が発生した9月4日から10月31日の期間に発生した地震のp波s波の到達時刻を調べた。これにより、本震・余震合わせて計181個の地震のデータをサンプリングできた。手順2の震源決定win-systemの使用について、win-systemとは観測地点におけるp波の到達時刻やs波の到達時刻から地震のマグニチュードや震源を決定するソフトウェアである。このシステムにより、本震・余震を含め44個の震源が決定できた。手順3では、この44地点の震央を国土地理院の地理院地図にプロットし、手順4では、これらの地震の震源の緯度、経度、深さをそれぞれx座標、y座標、z座標として立体グラフ化し分布を確認した。また、震央を地理院地図にプロットすると福井平野西縁部に集中していることが分かった。次に、震源の3D表示の結果について説明する。本研究ではリニアングラフにプロットする際、9月4日に発生した本震からあとの余震43個を時系列順に入力した。本震後の最初の13個の余震の震源は特定の面に集中していた。このことからこれらの余震は、本震を起こした断層上で発生したと考えられる。この最初の余震が集中した面を本震面と定義する。一方で、その後の余震は本震面から離れたところに分散して分布した。このように本震面から離れて位置に分布する余震を「広義の余震」と定義する。本震を起こした断層は予想の南北方向とは異なり地中では西南西から東北東に走っていることが分かった。また、今回の広義の余震の面は東西方向に走る断層の可能性が確認できた。そして、この広義の余震の面の発生過程を逆算的に以下のように考察した。まず、前提として、地図上に直線的な地形が見られたので国土地理院で確認したところ、更毛断層という断層があった。今回はこの更毛断層を用いて考察した。広義の余震の面は更毛断層と雁行、つまり平行しているので、雁行した新たな断層である可能性が浮上した。そこで、今回の本震によってこの新たな断層が励起、つまり刺激されて、広義の余震の面として確認されたと考察した。ここで今後の課題としては、更毛断層と雁行して確認できた広義の余震の面が新たな断層の可能性が浮上したがこれが実際に断層であるか調べること、また、更毛断層から東北東の方角の白山にまで連なる大きな断層の一部である可能性も含めて研究することである。
福井工業高等専門学校の岡本教授や先輩方の先行研究により、福井県北部の福井平野の西縁部には断層があると予想されている。今回の震度5弱の本震は、地図上の河合付近に位置するので、この予想されていた断層上で発生したのではないか考えた。
研究方法について説明する。本研究は1から5の手順で行った。まず、手順1の地震のサンプリングでは、防災科学技術研究所hi-netの永平寺観測点で観測された地震のうち、本震が発生した9月4日から10月31日の期間に発生した地震のp波s波の到達時刻を調べた。これにより、本震・余震合わせて計181個の地震のデータをサンプリングできた。手順2の震源決定win-systemの使用について、win-systemとは観測地点におけるp波の到達時刻やs波の到達時刻から地震のマグニチュードや震源を決定するソフトウェアである。このシステムにより、本震・余震を含め44個の震源が決定できた。手順3では、この44地点の震央を国土地理院の地理院地図にプロットし、手順4では、これらの地震の震源の緯度、経度、深さをそれぞれx座標、y座標、z座標として立体グラフ化し分布を確認した。また、震央を地理院地図にプロットすると福井平野西縁部に集中していることが分かった。次に、震源の3D表示の結果について説明する。本研究ではリニアングラフにプロットする際、9月4日に発生した本震からあとの余震43個を時系列順に入力した。本震後の最初の13個の余震の震源は特定の面に集中していた。このことからこれらの余震は、本震を起こした断層上で発生したと考えられる。この最初の余震が集中した面を本震面と定義する。一方で、その後の余震は本震面から離れたところに分散して分布した。このように本震面から離れて位置に分布する余震を「広義の余震」と定義する。本震を起こした断層は予想の南北方向とは異なり地中では西南西から東北東に走っていることが分かった。また、今回の広義の余震の面は東西方向に走る断層の可能性が確認できた。そして、この広義の余震の面の発生過程を逆算的に以下のように考察した。まず、前提として、地図上に直線的な地形が見られたので国土地理院で確認したところ、更毛断層という断層があった。今回はこの更毛断層を用いて考察した。広義の余震の面は更毛断層と雁行、つまり平行しているので、雁行した新たな断層である可能性が浮上した。そこで、今回の本震によってこの新たな断層が励起、つまり刺激されて、広義の余震の面として確認されたと考察した。ここで今後の課題としては、更毛断層と雁行して確認できた広義の余震の面が新たな断層の可能性が浮上したがこれが実際に断層であるか調べること、また、更毛断層から東北東の方角の白山にまで連なる大きな断層の一部である可能性も含めて研究することである。