13:45 〜 15:15
[O07-P24] 流星の分光観測による発光メカニズムの研究
キーワード:流星、回折格子、分光観測
1.目的
流星の分光画像上の輝線の間隔から,発光に関する元素の種類を推測すること,1つの流星を多地点で同時に観測することによって,高度と輝線の強度の関係を明らかにする。
2.仮説
・輝線の種類や強度から流星物質を構成する元素の種類や割合を求めることで,流星群毎の特徴や傾向を明らかにできる
・流星群を形成する流星はそのもととなる母天体が異なるため,観測によって検出される元素も群毎に異なった傾向が見られる
・多地点同時観測によって発光高度と輝線の強度の関係を導くことで,流星発光のしくみや条件を明らかにできる
3.方法
元素を特定するまでの過程は以下の通りの順である。
・回折格子を取り付けた一眼レフカメラで流星を撮影し回折格子のスケールや各輝線までのpix数を求める
・各輝線の波長を特定し,文献を参照して発光に由来する元素を求める
4. 結果・考察
2014年の研究開始から現在まで約57万枚撮影,58枚の分光画像を得た。
2020年のオリオン座流星群では1枚の分光画像を得た。Mg, Na, Feの3種類の元素を推定したものの, MgとNaで測定値に10nm程度の誤差が見られた。また,Fe(529nm)と推定した輝線が,他の2つの輝線に比べてやや早い段階で発光しているように見られることから,酸素禁制線(558nm)である可能性もあると考えた。これらの誤差は,ピント調節が不完全で,画像が不明瞭になったことが原因と考えられる。今後は精度向上のため,観測開始前のピント調整やとりわけ冬期においてのレンズの結露対策など,観測方法を再検討していきたい。同様に流星の入射角度が回折格子に対して,大きく傾いてしまったことも誤差が大きくなった要因と考える。したがって,カメラを一時間おきに15°ずつ回転することで,流星群の輻射点に対し回折格子が垂直となる角度を保ち,分光精度を高める必要がある。
5.展望
今後は観測精度の向上に加え,継続して観測を行うことで,流星群毎の元素の傾向を明確にしたい。また,多地点同時観測は,同時刻に同じ流星を複数地点で撮影するという点で,データを集めることが難しいため,今後も継続して高度の推測を行い,酸素禁制線発光と高度の関係性を追求していく。
流星の分光画像上の輝線の間隔から,発光に関する元素の種類を推測すること,1つの流星を多地点で同時に観測することによって,高度と輝線の強度の関係を明らかにする。
2.仮説
・輝線の種類や強度から流星物質を構成する元素の種類や割合を求めることで,流星群毎の特徴や傾向を明らかにできる
・流星群を形成する流星はそのもととなる母天体が異なるため,観測によって検出される元素も群毎に異なった傾向が見られる
・多地点同時観測によって発光高度と輝線の強度の関係を導くことで,流星発光のしくみや条件を明らかにできる
3.方法
元素を特定するまでの過程は以下の通りの順である。
・回折格子を取り付けた一眼レフカメラで流星を撮影し回折格子のスケールや各輝線までのpix数を求める
・各輝線の波長を特定し,文献を参照して発光に由来する元素を求める
4. 結果・考察
2014年の研究開始から現在まで約57万枚撮影,58枚の分光画像を得た。
2020年のオリオン座流星群では1枚の分光画像を得た。Mg, Na, Feの3種類の元素を推定したものの, MgとNaで測定値に10nm程度の誤差が見られた。また,Fe(529nm)と推定した輝線が,他の2つの輝線に比べてやや早い段階で発光しているように見られることから,酸素禁制線(558nm)である可能性もあると考えた。これらの誤差は,ピント調節が不完全で,画像が不明瞭になったことが原因と考えられる。今後は精度向上のため,観測開始前のピント調整やとりわけ冬期においてのレンズの結露対策など,観測方法を再検討していきたい。同様に流星の入射角度が回折格子に対して,大きく傾いてしまったことも誤差が大きくなった要因と考える。したがって,カメラを一時間おきに15°ずつ回転することで,流星群の輻射点に対し回折格子が垂直となる角度を保ち,分光精度を高める必要がある。
5.展望
今後は観測精度の向上に加え,継続して観測を行うことで,流星群毎の元素の傾向を明確にしたい。また,多地点同時観測は,同時刻に同じ流星を複数地点で撮影するという点で,データを集めることが難しいため,今後も継続して高度の推測を行い,酸素禁制線発光と高度の関係性を追求していく。