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[O07-P44] 柱状節理の外的要因による変化
柱状節理とは、地表に流れ出た溶岩が、大地に触れて急速に冷やされる事によって体積収縮が起こり六角柱に固まる現象である。現在、この柱状節理について、殆どの柱状節理が玄武岩である事や希に五、四角形の物も見つかる事、コーンスターチを水に溶かしてから蒸発させ乾燥させると柱状節理の様になる事などが知られている。一方で、なぜ柱状節理の長さや大きさ、形がそれぞれ違うのかについては研究が少なく明確な答えは出ていない。そこで我々はこの違いの原因が分かれば、形成当時の環境が分かるかもしれないと考え、対照実験を行って原因を調べる事にした。
柱状節理は溶岩が変化したものであり、実験を行うことは難しい。そこで先行研究を参考に実験モデルとしてコーンスターチを用いて実験を行った。コーンスターチは、過程こそ違うものの柱状節理と同じく固まると体積収縮によって六角柱になるという希有な性質をもち、形成に関わるおおよその性質が同じと考えられている。よってスターチの特性を分析し、変化の条件を調べることによって柱状節理に関わる要因を推察する。
条件の変化が柱状節理に与える影響を調べるため、水量、コーンスターチ量、容器の深さ、乾燥温度、乾燥方法を変えた容器A~Hにコーンスターチを水に溶かし恒温器で乾燥する。
A…水量:70g コーンスターチ量:30g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器40℃
B…水量:70g コーンスターチ量:50g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器40℃
C…水量:100g コーンスターチ量:140g 容器の深さ:深い 乾燥方法:恒温器70℃
D…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器70℃
E…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:深い 乾燥方法:恒温器70℃
F…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器70℃
G…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:深い 乾燥方法:白熱電球
H…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:白熱電球
容器CとEを比較すると、内容量の差に関わらず同様の結果(表面の剥離、非直線状の亀裂、底部での亀裂の密度の上昇)が見られたため、亀裂は内容量に左右されない事がわかる。
容器DとE、EとFを比較すると、容器の深さが変化すると亀裂の形状が変化する事がわかる。
容器EとGを比較すると、深い容器での恒温器と白熱電球での乾燥に差はほとんどないとわかる。一方で容器FとHを比較すると、浅い容器での恒温器と白熱電球での乾燥では亀裂の形状にかなりの差が見られた。
容器AとBを比較すると、コーンスターチの量が大きいほうが、亀裂が細かかった。
以上より、温まりやすさの違いが亀裂の形状の差を生み出したと考えられる。
温度が均一になりにくいほど亀裂が細かく、均一になるほど亀裂が直線になっていくと思われる。
CとEの結果から内容量は結果に左右されないと考えられるので、大規模な実験モデルや、柱状節理そのものにも当てはまると思われる。これらの事から、【内部温度の差が大きいほど、柱状節理に近づく】という仮説が立てられる。この仮説は、高熱の溶岩が地面と触れて冷えて発生するという従来の定説とも一致する。また上部の剥離や底部の密度の変化も温度の違いと言えるだろう。議論の余地はあるものの、研究の少ない柱状節理の分野に大きく貢献できる仮説を立てられた。湿度や温度、容器の形状などの条件を更に精査し、この仮説の裏付けと新たな仮説の立証を目指したい。
柱状節理は溶岩が変化したものであり、実験を行うことは難しい。そこで先行研究を参考に実験モデルとしてコーンスターチを用いて実験を行った。コーンスターチは、過程こそ違うものの柱状節理と同じく固まると体積収縮によって六角柱になるという希有な性質をもち、形成に関わるおおよその性質が同じと考えられている。よってスターチの特性を分析し、変化の条件を調べることによって柱状節理に関わる要因を推察する。
条件の変化が柱状節理に与える影響を調べるため、水量、コーンスターチ量、容器の深さ、乾燥温度、乾燥方法を変えた容器A~Hにコーンスターチを水に溶かし恒温器で乾燥する。
A…水量:70g コーンスターチ量:30g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器40℃
B…水量:70g コーンスターチ量:50g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器40℃
C…水量:100g コーンスターチ量:140g 容器の深さ:深い 乾燥方法:恒温器70℃
D…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器70℃
E…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:深い 乾燥方法:恒温器70℃
F…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:恒温器70℃
G…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:深い 乾燥方法:白熱電球
H…水量:50g コーンスターチ量:70g 容器の深さ:浅い 乾燥方法:白熱電球
容器CとEを比較すると、内容量の差に関わらず同様の結果(表面の剥離、非直線状の亀裂、底部での亀裂の密度の上昇)が見られたため、亀裂は内容量に左右されない事がわかる。
容器DとE、EとFを比較すると、容器の深さが変化すると亀裂の形状が変化する事がわかる。
容器EとGを比較すると、深い容器での恒温器と白熱電球での乾燥に差はほとんどないとわかる。一方で容器FとHを比較すると、浅い容器での恒温器と白熱電球での乾燥では亀裂の形状にかなりの差が見られた。
容器AとBを比較すると、コーンスターチの量が大きいほうが、亀裂が細かかった。
以上より、温まりやすさの違いが亀裂の形状の差を生み出したと考えられる。
温度が均一になりにくいほど亀裂が細かく、均一になるほど亀裂が直線になっていくと思われる。
CとEの結果から内容量は結果に左右されないと考えられるので、大規模な実験モデルや、柱状節理そのものにも当てはまると思われる。これらの事から、【内部温度の差が大きいほど、柱状節理に近づく】という仮説が立てられる。この仮説は、高熱の溶岩が地面と触れて冷えて発生するという従来の定説とも一致する。また上部の剥離や底部の密度の変化も温度の違いと言えるだろう。議論の余地はあるものの、研究の少ない柱状節理の分野に大きく貢献できる仮説を立てられた。湿度や温度、容器の形状などの条件を更に精査し、この仮説の裏付けと新たな仮説の立証を目指したい。