日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-07] 高校生ポスター発表

2021年6月6日(日) 13:45 〜 15:15 Ch.27

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

13:45 〜 15:15

[O07-P46] 小型宇宙線検出器を用いたミュオグラフィーによる天井の厚みの推定

*小林 南奈1 (1.開智高等学校)

キーワード:宇宙線

宇宙線ミューオンは建物内部では天井によって遮蔽されるため、階が低いほどその到来頻度は低下する。この現象はピラミッドの内部の推定に利用され、ピラミッドの内部に未知の空間が発見されたこともある。私はこの現象を利用することで校舎の天井の厚みを推定することができ、また推定した値と設計図に記載された値とを比較することで、小型宇宙線検出器を利用した推定における精度についても考察することができると考えた。

はじめに小型宇宙線検出器CosmicWatchを使用して学校の1〜5階と校庭で宇宙線ミューオンの到来頻度を測定した。この際、2台のCosmicWatchを重ね、上下両方の検出器を通った宇宙線のみをデータとしてカウントすることで角度を絞って計測した。結果をグラフ化すると、階が低いほど宇宙線の到来頻度が低下することが確認できた。

そして、天井の主成分であるコンクリートの厚みと宇宙線ミューオンの到来頻度の相互関係についてシミュレーションを行い、各階で得られたデータとシミュレーション結果を比較した。このシミュレーションでは、宇宙線ミューオンのエネルギーを、コンクリート1cmを通過する際に宇宙線ミューオンが失うエネルギーで割ることで、各エネルギーを持つ宇宙線ミューオンが到達できるコンクリートの深さを導出し、グラフ化した。

結果としては、設計図に記載されていた天井5枚分の合計値が290cmに対し、天井5枚分の値は約253cmであると推定した。