17:15 〜 18:30
[PEM09-P02] Study on the Solar Flare Effect (SFE*) of equatorial electrojet around local noon
キーワード:太陽フレア効果、赤道エレクトロジェット、Sq電流
太陽フレアに伴うX線や紫外線が地球に到達することにより、昼側電離層内でプラズマの電離が促進され、電離層電流がごく短時間のうちに変化することによって、その影響が地上磁場観測に顕れることが知られている。このような突発的な地磁気擾乱は''太陽フレア効果'' (SFE) として知られている [Campbell, 2003]。
SFEが生じる直前の磁場に対して、磁場変化を強める作用を‘Positive SFE(SFE)’、反対に弱める作用を‘Negative SFE(SFE*)’と呼ぶ[Yamazaki et al., 2009]。
Rastogi et al., [1996]により、磁気赤道域において、Equatorial ElectroJet(EEJ)を強める磁場の正の変動現象と、朝・夕のCounter-ElectroJet(CEJ)を強める磁場の負の変動現象が報告され、それぞれSFE, SFE*として定義された。しかしその後、正午付近のEEJ域において磁場が逆方向に発達するSFE*現象が報告され、その要因について様々な議論が展開されている[Rastogi et al., 2003;Yamazaki et al., 2009;Rastogi et al., 2013]。
Yamazaki et al. [2009]では、2つの特異的なSFE*の解析が行われた。その結果、XクラスのフレアによるE層下部の電気伝導度の上昇や惑星間空間磁場(IMF)北転による磁気赤道域への西向き電場の侵入、ローカルな電流系の形成がSFE*の発生要因であると示唆された。一方、Rastogi et al. [2013]では、磁気赤道域の観測点を用いて同イベントを検証した結果、太陽フレアによって増強されたpartial CEJがSFE*の要因であるとの提案がなされた。現状、SFE*現象に関する報告例は限られており、前出のSFE*発生要因を含めて、どのような電離圏環境下でSFE*が発生するかについては、未解決なままである。
先述した特異的なSFE*の発生メカニズムを明らかにするためには、全球的な磁場解析を行い、電流構造の理解が必須である。本研究の目的は、正午付近に発生する特異的なSFE* 現象を定量的に分析可能な手法を開発し、その発生メカニズムを明らかにすることにある。本研究では第一段階として、MAGDAS/CPMN(全球的観測ネットワーク)地磁気データに等価電流法を用いて、電離層電流の可視化を行う。
現在、Yamazaki et al. 2009で報告された事例を含めた9つの昼側SFE*について精査を行っている。Sq電流系のベクトル場の挙動とZ成分の相関を検証することで、SFE*発生前後の電流系の構造を把握し、電流の発達過程の定量的な分析が可能であると考えている。本発表では、解析結果について報告を行う予定である。
SFEが生じる直前の磁場に対して、磁場変化を強める作用を‘Positive SFE(SFE)’、反対に弱める作用を‘Negative SFE(SFE*)’と呼ぶ[Yamazaki et al., 2009]。
Rastogi et al., [1996]により、磁気赤道域において、Equatorial ElectroJet(EEJ)を強める磁場の正の変動現象と、朝・夕のCounter-ElectroJet(CEJ)を強める磁場の負の変動現象が報告され、それぞれSFE, SFE*として定義された。しかしその後、正午付近のEEJ域において磁場が逆方向に発達するSFE*現象が報告され、その要因について様々な議論が展開されている[Rastogi et al., 2003;Yamazaki et al., 2009;Rastogi et al., 2013]。
Yamazaki et al. [2009]では、2つの特異的なSFE*の解析が行われた。その結果、XクラスのフレアによるE層下部の電気伝導度の上昇や惑星間空間磁場(IMF)北転による磁気赤道域への西向き電場の侵入、ローカルな電流系の形成がSFE*の発生要因であると示唆された。一方、Rastogi et al. [2013]では、磁気赤道域の観測点を用いて同イベントを検証した結果、太陽フレアによって増強されたpartial CEJがSFE*の要因であるとの提案がなされた。現状、SFE*現象に関する報告例は限られており、前出のSFE*発生要因を含めて、どのような電離圏環境下でSFE*が発生するかについては、未解決なままである。
先述した特異的なSFE*の発生メカニズムを明らかにするためには、全球的な磁場解析を行い、電流構造の理解が必須である。本研究の目的は、正午付近に発生する特異的なSFE* 現象を定量的に分析可能な手法を開発し、その発生メカニズムを明らかにすることにある。本研究では第一段階として、MAGDAS/CPMN(全球的観測ネットワーク)地磁気データに等価電流法を用いて、電離層電流の可視化を行う。
現在、Yamazaki et al. 2009で報告された事例を含めた9つの昼側SFE*について精査を行っている。Sq電流系のベクトル場の挙動とZ成分の相関を検証することで、SFE*発生前後の電流系の構造を把握し、電流の発達過程の定量的な分析が可能であると考えている。本発表では、解析結果について報告を行う予定である。