[P-EM09] Dynamics of Magnetosphere and Ionosphere

[PEM09-P19] あらせ衛星で観測されたコーラスに起因するラングミュア波の解析

*吉田 永遠¹、栗田 怜²、頭師 孝拓¹、小嶋 浩嗣²、笠原 禎也³、松田 昇也⁴、松岡 彩子⁵ (1.奈良工業高等専門学校、2.京都大学生存圏研究所、3.金沢大学総合メディア基盤センター、4.宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所、5.京都大学 理学研究科 地磁気世界資料解析センター)

キーワード：あらせ衛星、コーラス、ラングミュア波

地球磁気圏において、コーラスに起因するラングミュア波が報告されている。この現象は、コーラスのE_//成分に伴って周期的なラングミュア波のバーストが観測されるものであり、Li et al. (2017)において、Van Allen Probesに搭載された波形観測器であるWFRで観測されたイベントが解析されている。コーラスのE_//成分が伝搬方向と逆向きとなる位相においてラングミュア波のバーストが観測されており、同時に電子ビームが観測されていることから、この現象はコーラスのE_//成分によって加速された電子によるものと考えられている。

本発表では、あらせ衛星によって観測された同様の現象を報告する。あらせ衛星に搭載されたWFCにより2017年5月に観測されたデータから、同様のイベントと考えられるものが205回確認された。これらの電場波形について、コーラス及びラングミュア波それぞれのE_//成分のみを抽出し、コーラスの位相とラングミュア波の強度の関係を解析した。その結果、先行研究のようにコーラスの特定の位相において強いラングミュア波が生じるイベントが確認できた。それに加え、ラングミュア波の強度とコーラスの位相に関係が見られない例も同程度みられ、イベントの発生メカニズムが複数存在することが示唆された。発表においては、これらのイベントの詳細を報告するとともに、2種類のイベントについて観測時の各種パラメータを比較した結果を示す。



参考文献

Li, J., et al. (2017). Chorus wave modulation of Langmuir waves in the radiation belts. Geophys. Res. Lett., 44, 11,713– 11,721. doi: 10.1002/2017GL075877