[P-EM14] 太陽圏・惑星間空間

[PEM14-01] ひのでで観測されたサイクル24中の太陽極域磁場の年変動

*塩田 大幸¹、下条 圭美² (1.国立研究開発法人 情報通信研究機構、2.国立天文台)

キーワード：太陽活動周期、光球磁場、コロナ磁場

太陽の極域の磁場は、詳細に観測が困難である一方、太陽周期活動によって変動するため太陽の長期的な磁場変動を理解する上で非常に重要であることが知られている。また極小期には高速太陽風が流出する極域コロナホールが形成されるため、太陽極域磁場の変動の理解は、宇宙天気予報を高精度化するための要素としても重要な意味をもつ。2006年に打ち上げられたひので衛星は、高解像度・高性能の偏光観測が可能な可視光磁場望遠鏡によって、太陽極域磁場の詳細な分布を観測することができ(Tsuneta et al. 2008)、2008年秋以降極域磁場のモニター観測を継続している。2020年9月、NASAおよびNOAAによって招集されたSolar Cycle 25 Prediction Panelは、2019年12月に太陽活動が極小に至り新しい周期サイクル25が始まったと発表を行った。サイクル24は2008年12月より開始されたことが知られているため、ひのでによる極域磁場観測はサイクル24の開始前から終了までの期間をカバーすることに成功した。
本研究では、モニター観測によって得られたこの期間全体における太陽南北両極の磁場変動を解析した。さらにSDO/HMIによる太陽全面の高級磁場synoptic mapとひのでによって得られた極域の磁場マップを合成した改良synoptic mapを作成し、このマップを入力としてポテンシャル磁場モデルを用いて太陽全球のコロナ磁場を計算した。講演では、サイクル24の期間中の極域磁場と磁場コロナ磁場の変動の対応関係について解析を行った結果を報告する。