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[PEM15-P09] MHD緩和法に対する無発散スキームの開発
キーワード:無発散スキーム、MHD緩和法、太陽大気
太陽大気中の大小様々な爆発現象は、太陽大気に蓄積された磁気エネルギーの突発的な解放過程と考えられる。それ故、太陽爆発現象の発生機構の解明と予測には、太陽大気磁場の3次元分布の情報が不可欠である。しかし、太陽大気磁場の高精度直接観測は現状困難である。一方で、光球面におけるベクトル磁場は高精度観測が可能である。そこで、光球面ベクトル磁場から太陽大気磁場を外挿する様々な手法がこれまで開発されてきた。
磁気流体力学(MHD)緩和法[1]は、活動領域の実データ解析に応用[2]される強力な平衡磁場外挿法の一つである。MHD緩和法では、摩擦項や粘性項を含む簡略化したMHD方程式の初期値境界値問題の収束解として、数値的に平衡磁場を求める。ただし、従来のMHD緩和法で採用された数値スキームは古典的な中心差分法であり、収束解を安定に得るためには慎重なパラメータ調整が必要である。また、境界条件と数値スキームの制約から磁場のソレノイダル性を厳密に保証することが困難なため、磁場の発散を移流・拡散によって抑制している。そこで本研究では、現代的な衝撃波捕獲法に基づき、MHD緩和法に対する高安定且つ高精度な無発散スキームを新たに開発した。特に非線形フォースフリー磁場の半解析解[3]との比較を通して、本研究で開発する無発散スキームの性能評価を行った。
[1] Inoue, et al., Astrophys. J., (2014) 780:101
[2] Inoue, et al., Nature Comm., (2018) 9:174
[3] Low, Lou, Astrophys. J., (1990) 352:343
磁気流体力学(MHD)緩和法[1]は、活動領域の実データ解析に応用[2]される強力な平衡磁場外挿法の一つである。MHD緩和法では、摩擦項や粘性項を含む簡略化したMHD方程式の初期値境界値問題の収束解として、数値的に平衡磁場を求める。ただし、従来のMHD緩和法で採用された数値スキームは古典的な中心差分法であり、収束解を安定に得るためには慎重なパラメータ調整が必要である。また、境界条件と数値スキームの制約から磁場のソレノイダル性を厳密に保証することが困難なため、磁場の発散を移流・拡散によって抑制している。そこで本研究では、現代的な衝撃波捕獲法に基づき、MHD緩和法に対する高安定且つ高精度な無発散スキームを新たに開発した。特に非線形フォースフリー磁場の半解析解[3]との比較を通して、本研究で開発する無発散スキームの性能評価を行った。
[1] Inoue, et al., Astrophys. J., (2014) 780:101
[2] Inoue, et al., Nature Comm., (2018) 9:174
[3] Low, Lou, Astrophys. J., (1990) 352:343