日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS04] 太陽系小天体:はやぶさ2等の宇宙ミッションからの新展開

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.04

コンビーナ:岡田 達明(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、中本 泰史(東京工業大学)、黒田 大介(京都大学)

17:15 〜 18:30

[PPS04-P19] MMX軌道からのフォボス内部密度構造推定のシミュレーション

*山本 圭香1、松本 晃治1、池田 人2、千秋 博紀3 (1.国立天文台、2.宇宙航空研究開発機構、3.千葉工業大学)

キーワード:MMX、フォボス、軌道推定、重力場

火星衛星探査ミッションMMX (Martian Moons eXploration)は、近接観測およびサンプルリターンによって、火星衛星の起源、火星圏の進化、太陽系惑星の形成を明らかにすることを目的としている。火星衛星の内部構造に関する情報を得ることは、その起源、進化の過程を研究する上で重要であり、火星衛星近傍においては、探査機の軌道は天体の重力による擾乱を受けるため、探査機の軌道解析により、その重力場、内部密度構造の推定が可能である。本研究では、火星衛星フォボス近傍でのMMXの探査機の精密軌道決定からのフォボス重力場、内部密度構造推定のシミュレーションをおこなった。まず、探査計画に基づく探査機軌道(フォボス表面への着陸後の上昇軌道、Quasi-Satellite Orbit、QSO)を仮定し、地上局からのドップラー観測、探査機からのフォボス撮像観測およびレーザー高度計(LIDAR)観測のシミュレーションデータを作成した。これらを観測値として用い、次のようなシミュレーションを実施した。1) 層状密度構造を持つフォボスを仮定した場合の、表面着陸後の上昇軌道のデータからの密度境界面あるいは各層の密度の推定、2) 着陸後上昇軌道の観測データからの、フォボス表層の地域的に異なる密度構造の検出、3)異なる高度のQSOからの重力場係数の推定。発表では、これらのシミュレーションに基づき、フォボスの内部密度構造にどの程度の制約を与えることが可能であるかについて検討した結果を紹介する。