14:45 〜 15:00
[SCG45-17] ブイを用いた海底地殻変動観測システムの稼働実験
キーワード:海底地殻変動、係留ブイ
GNSS測位と音響測距を組み合わせた海底地殻変動観測は、南海トラフ地震等の海溝型巨大地震にかかる調査・研究に欠かせないツールである。ところが、現状では船舶を用いて観測を行っているため、観測頻度が低いことが課題である。
そこで、本研究グループでは、連続して(観測頻度を上げて)海底地殻変動観測を行うため、ブイを用いた観測システムの開発を行ってきた。本システムを足摺岬沖32kmに設置した海底局の直上に係留されている高知県黒潮牧場ブイ18号に搭載して連続観測の試験を行ってきた。本システムによる海底地殻変動観測は、2018年3月28日に開始した。途中、約6ヶ月にわたって連続して音響測距が実施できた期間もあったが、3度にわたって特に冬季に停電が生じたため、2019年12月から2020年3月に給電能力向上の工事を実施した。この工事では、ソーラーパネルを5枚から8枚に増強するとともに、蓄電池を2倍の量に増やした。また、給電系を12V系と24V系の2つに分離した。給電能力向上後は2020年3月12日から約10ヶ月以上連続で音響測距を続けている。したがって、電源さえ供給され続ければ音響測距を連続して行えることは確認できた。ただし、衛星通信が脆弱であり、陸上基地局に送信された音響測距データは全体の約60%にとどまっている。また、海底地殻変動観測には、音響測距のほかにGNSS測位とジャイロによる姿勢測定のデータが必要であるが、これらの測定にも不具合があり、全てのデータが揃っている期間は2020年8月〜2021年1月の間のみであった。この期間のデータを用いて海底局位置を決めたところ、その決定精度はおよそ数センチメートルであった。
そこで、本研究グループでは、連続して(観測頻度を上げて)海底地殻変動観測を行うため、ブイを用いた観測システムの開発を行ってきた。本システムを足摺岬沖32kmに設置した海底局の直上に係留されている高知県黒潮牧場ブイ18号に搭載して連続観測の試験を行ってきた。本システムによる海底地殻変動観測は、2018年3月28日に開始した。途中、約6ヶ月にわたって連続して音響測距が実施できた期間もあったが、3度にわたって特に冬季に停電が生じたため、2019年12月から2020年3月に給電能力向上の工事を実施した。この工事では、ソーラーパネルを5枚から8枚に増強するとともに、蓄電池を2倍の量に増やした。また、給電系を12V系と24V系の2つに分離した。給電能力向上後は2020年3月12日から約10ヶ月以上連続で音響測距を続けている。したがって、電源さえ供給され続ければ音響測距を連続して行えることは確認できた。ただし、衛星通信が脆弱であり、陸上基地局に送信された音響測距データは全体の約60%にとどまっている。また、海底地殻変動観測には、音響測距のほかにGNSS測位とジャイロによる姿勢測定のデータが必要であるが、これらの測定にも不具合があり、全てのデータが揃っている期間は2020年8月〜2021年1月の間のみであった。この期間のデータを用いて海底局位置を決めたところ、その決定精度はおよそ数センチメートルであった。