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[SCG49-02] 東北日本弧、西南日本弧のプレート境界プロセスによる日本海海域の震源断層への応力蓄積
キーワード:応力蓄積、東北日本弧、西南日本弧、震源断層、有限要素法、地殻変動
日本海では、過去に1964年新潟地震、1983年日本海中部地震、1993年北海道南西沖地震等が発生し、地震動による被害とともに津波のリスクも懸念されている。近年の地球物理探査から、日本海沿岸における震源断層の分布が推定されている。これらの断層における地震発生の予測においてどのような応力が蓄積されているのかを見積もることは重要である。本研究では、東北日本弧、西南日本弧に沿ったプレート境界プロセスがこれらの断層にどのような影響を与えているのかを3次元有限要素法により見積もる。モデルの拘束には、日本列島域の稠密な測地観測網によるデータを用いた。
著者らは過去の研究で日本列島域の三次元有限要素モデル(FEM)を構築した。モデルはユーラシア、太平洋、フィリピン海プレートからなり、プレート境界形状は地震分布にもとづく既存研究により定めた。プレート境界面の80 km以浅を3000の小断層面に分割し、各断層面のすべり応答を計算した。また、長期間のプレート境界プロセスを扱うためにアセノスフェアの粘弾性を取り入れている。
このモデルを用いて、測地データのインバージョンにより、プレート境界面におけるすべり欠損分布(プレート間固着)を求め、プレート間固着によって震源断層に蓄積されるクーロン応力を求める。西南日本や千島海溝ではプレート境界が長年にわたって固着しており、その影響が日本海にもおよび、九州〜北陸沿岸や北海道西岸の震源断層におけるクーロン応力も正を示し、地震発生を促進する方向である。一方、東北地方の西岸の震源断層では2011年東北沖地震以前はクーロン応力が正であったが、東北沖地震以降負となり、地震発生を抑制する応力が働いている。相模トラフの固着の影響は限定的であるが、北陸〜新潟沖の震源断層に無視できない影響を与えている。特に、新潟沖や青森沖は東北沖地震の影響と南海トラフ、千島海溝の固着が重なりあう遷移領域であり、これらの影響度合いを今後正確にモデル化し、地震活動によって検証する必要がある。
著者らは過去の研究で日本列島域の三次元有限要素モデル(FEM)を構築した。モデルはユーラシア、太平洋、フィリピン海プレートからなり、プレート境界形状は地震分布にもとづく既存研究により定めた。プレート境界面の80 km以浅を3000の小断層面に分割し、各断層面のすべり応答を計算した。また、長期間のプレート境界プロセスを扱うためにアセノスフェアの粘弾性を取り入れている。
このモデルを用いて、測地データのインバージョンにより、プレート境界面におけるすべり欠損分布(プレート間固着)を求め、プレート間固着によって震源断層に蓄積されるクーロン応力を求める。西南日本や千島海溝ではプレート境界が長年にわたって固着しており、その影響が日本海にもおよび、九州〜北陸沿岸や北海道西岸の震源断層におけるクーロン応力も正を示し、地震発生を促進する方向である。一方、東北地方の西岸の震源断層では2011年東北沖地震以前はクーロン応力が正であったが、東北沖地震以降負となり、地震発生を抑制する応力が働いている。相模トラフの固着の影響は限定的であるが、北陸〜新潟沖の震源断層に無視できない影響を与えている。特に、新潟沖や青森沖は東北沖地震の影響と南海トラフ、千島海溝の固着が重なりあう遷移領域であり、これらの影響度合いを今後正確にモデル化し、地震活動によって検証する必要がある。