14:30 〜 14:45
[SCG53-04] みちびきを使用した電子基準点リアルタイム解析の試み
キーワード:REGARD、電子基準点、精密単独測位、みちびき
リアルタイムGNSS測位により得られる変位は、地面の変動量を直接測定するため、短周期地震計データとは対照的に、大地震に対して飽和することは無い。国土地理院では、日本全国のGEONETと呼ばれるGNSS連続観測網に基づいて有限断層モデルを推定するREGARD(電子基準点リアルタイム解析システム)を運用している。
REGARDでは、2観測点のデータを用いたリアルタイムでの相対測位(RTK測位)を行っているが、一方の観測点が停止すると解を得ることができない。REGARDでは固定点1点に対し、日本全国の電子基準点との相対測位を実施しているが、特に固定点で観測停止が発生すると、その影響は全点に波及する。そのほか、固定点近傍で発生した地震に対しては、相対的に日本全国で地殻変動が発生したように見えてしまう弱点もある。これらの相対測位の弱点を克服するため、PPP(精密単独測位)の導入を試みた。PPPは単独で測位を行うことができるため、相対測位のデメリットを持たない。ただし、精度の高いPPPには様々な補正情報が必要となる。
今回、日本の測位衛星であるみちびき(QZSS)を含めたリアルタイムでの衛星軌道及び時計の推定を実施して補正情報を生成し、リアルタイムPPPを実施した。PPPによる座標は相対測位に比べ測位精度が若干劣るが、近傍点との座標の差を求めることで、相対測位相当、またはそれ以上の精度を得ることができた。本発表では、REGARDによる即時断層推定に貢献するため、みちびきを使用したリアルタイムPPPの精度評価と、REGARDとの比較結果を報告する。
REGARDでは、2観測点のデータを用いたリアルタイムでの相対測位(RTK測位)を行っているが、一方の観測点が停止すると解を得ることができない。REGARDでは固定点1点に対し、日本全国の電子基準点との相対測位を実施しているが、特に固定点で観測停止が発生すると、その影響は全点に波及する。そのほか、固定点近傍で発生した地震に対しては、相対的に日本全国で地殻変動が発生したように見えてしまう弱点もある。これらの相対測位の弱点を克服するため、PPP(精密単独測位)の導入を試みた。PPPは単独で測位を行うことができるため、相対測位のデメリットを持たない。ただし、精度の高いPPPには様々な補正情報が必要となる。
今回、日本の測位衛星であるみちびき(QZSS)を含めたリアルタイムでの衛星軌道及び時計の推定を実施して補正情報を生成し、リアルタイムPPPを実施した。PPPによる座標は相対測位に比べ測位精度が若干劣るが、近傍点との座標の差を求めることで、相対測位相当、またはそれ以上の精度を得ることができた。本発表では、REGARDによる即時断層推定に貢献するため、みちびきを使用したリアルタイムPPPの精度評価と、REGARDとの比較結果を報告する。