日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM13] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2021年6月6日(日) 13:45 〜 15:15 Ch.21 (Zoom会場21)

コンビーナ:加藤 千恵(九州大学比較社会文化研究院)、佐藤 哲郎(東京大学地震研究所)、座長:加藤 千恵(九州大学比較社会文化研究院)、佐藤 哲郎(東京大学地震研究所)、吉村 由多加(九州大学大学院比較社会文化研究院)

14:30 〜 14:45

[SEM13-04] 伊能忠敬の磁針測量方位角原簿から19世紀初頭の日本の郷土史地理の緯度経度0.2秒台の地点と地磁気偏角を同時解析する。

*辻本 元博1 (1.なし)

キーワード:伊能忠敬、地磁気偏角、異分野解析

伊能忠敬の磁針測量方位角原簿国宝「山島方位記」には0度05'単位の制度の磁針測量方位角が測量実施基点と測量対象地点の名前と共に記録されている。伊能測量隊は地磁気の偏角の補正を適用せずに測量を実行した。何故なら測量出発前に伊能は江戸(東京)で地磁気偏角の測定を試みたが、殆ど0度であった。伊能は日本地図の測量上の地磁気の偏角は最小であるとの仮定で測量を遂行した。測量地域は北海道北東岸から西日本のの屋久島に及ぶ。しかしながら長い日本列島では各地方の地磁気の偏角は異なる。真方位角から磁針測量方位角を差し引いた地磁気偏角がどの測量対象地点に付いても同一或いは近似になる測量実施地点の詳細位置をエクセル計算式を使って逆算することができる。郷土史の史料やコンピューター地図と再度照合し、詳細な位置を調整する。我々は国宝「山島方位記」から測量実施地点詳細位置、及び測量対象地点、真方位、地磁気偏角の異分野同時解析をしている。
今回は19世紀前半の長崎での地磁気偏角の推移にも言及する。