日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD01] 測地学・GGOS

2021年6月4日(金) 09:00 〜 10:30 Ch.22 (Zoom会場22)

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、大坪 俊通(一橋大学)、座長:松尾 功二(国土地理院)、服部 晃久(総合研究大学院大学)

09:30 〜 09:45

[SGD01-03] 量子型絶対重力計AQGの導入

*畔柳 将人1、半田 優実1、兒玉 篤郎1、栗原 忍1、越智 久巳一1、山本 宏章1、大森 秀一1、飯尾 研人1、中島 正寛1、飯塚 康祐1 (1.国土地理院)

キーワード:AQG、FG5、重力

国土地理院は、フランスMuquans社製の量子型絶対重力計AQG (Absolute Quantum Gravimeter)を我が国で初めて導入した。
AQGは原子干渉法を利用した重力計であり、基本的な原理としては従来から使用している絶対重力計FG5と同様、落体を自由落下させることで重力加速度を測定する。FG5との違いは、FG5は落体としてミラーを使用しているのに対し、AQGの落体は2μK以下まで冷却したルビジウム原子を使用していることである。FG5は機械的構造による可動部品の消耗があり、長期間の連続測定には向いていない。一方、AQGのセンサーヘッドは FG5のように可動部品を持たないため、ほぼメンテナンスなしでの長期間の連続測定を可能としている。さらに、AQGは設置が容易で測定のための調整はソフトウェアによってほぼ自動的に行われるため、熟練の技術者でなくてもすぐに測定を開始できる。
本発表では新たに導入したAQGについて、その特徴を紹介し、FG5で得られた重力値と比較した結果について報告する。