日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL22] 地球年代学・同位体地球科学

2021年6月4日(金) 13:45 〜 15:15 Ch.23 (Zoom会場23)

コンビーナ:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、佐野 有司(東京大学大気海洋研究所海洋地球システム研究系)、座長:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、佐野 有司(高知大学海洋コア総合研究センター)

14:30 〜 14:45

[SGL22-03] 8億年前、月と地球を襲った小惑星シャワー

*寺田 健太郎1、諸田 智克2、加藤 麻美3 (1.大阪大学院理学研究科宇宙地球科学専攻、2.東京大学大学院理学研究科、3.明星電気)

キーワード:クレーター年代、インパクトフラックス、月ー地球システム、月周回衛星「かぐや」

月周回衛星「かぐや」の地形カメラ観測によって、直径20km以上ある月のクレーター周辺領域に存在する0.1-1kmの微小クレーターのサイズ分布を精査した。その結果、59個のクレーターのうち、コペルニクスクレーターを含む8個(モデルによっては17個)のクレーターの形成年代が一致することを発見した。偶然、このような現象が起こる確率は極めて低く、小惑星の破砕により破片が月全体に断続的に降り注いだと結論づけられる。アポロ月試料のインパクトガラスの放射年代、月面のクレーターのサイズ、月と地球の小惑星衝突比などを考慮すると、8億年前に100kmサイズ以上の小惑星が破砕し、少なくとも総量(4-5)×1016 kgの天体が月と地球に飛来したことが明らかになった。これは、6550万年前に恐竜を絶滅させた天体衝突の30-60倍の質量に匹敵する。