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[SMP25-09] 下部地殻主要構成鉱物の拡散クリープによるCPO発達の可能性
キーワード:拡散クリープ、結晶軸選択配向、下部地殻、アノーサイト
マントル岩の主要構成鉱物であるカンラン石では、その結晶軸がある特定方向に配向する結晶軸選択配向 (CPO)が知られている。これまで、CPOは転位クリープ下のみで発達すると考えられてきたが、最近、拡散クリープ下でのCPO発達とそのメカニズムが実験的に示された(Miyazaki et al. 2013; Maruyama and Hiraga, 2017)。しかし、カンラン石以外の鉱物において、 同様のCPO発達過程があるのかは明らかでない。
下部地殻岩石中の斜長石のCPO発達はよく知られている。本研究では、下部地殻の流動を担う斜長石のCPO発達機構を高温下での純粋せん断変形実験より調べた。真空焼結法を用いて斜長石のCa端成分であるアノーサイト(CaAl2Si2O8)多結晶体を合成した、平均粒径約2 µmおよび空隙率は<0.01 vol%であった。本多結晶体をカーボン製のガイドに入れて温度1242℃、応力40~75 MPaで変形させた。変形試料の微細構造解析からCPOが発達したこと、変形時の応力-歪速度の関係から変形機構が拡散クリープであることが分かった。下部地殻における拡散クリープ下でのCPO発達の可能性を議論する。
下部地殻岩石中の斜長石のCPO発達はよく知られている。本研究では、下部地殻の流動を担う斜長石のCPO発達機構を高温下での純粋せん断変形実験より調べた。真空焼結法を用いて斜長石のCa端成分であるアノーサイト(CaAl2Si2O8)多結晶体を合成した、平均粒径約2 µmおよび空隙率は<0.01 vol%であった。本多結晶体をカーボン製のガイドに入れて温度1242℃、応力40~75 MPaで変形させた。変形試料の微細構造解析からCPOが発達したこと、変形時の応力-歪速度の関係から変形機構が拡散クリープであることが分かった。下部地殻における拡散クリープ下でのCPO発達の可能性を議論する。