17:15 〜 18:30
[SSS06-P05] 内陸大地震の余震数と余震活動継続時間の規模依存性
キーワード:内陸地震、余震数、活動継続時間
余震とは、ある地震(以後、本震と記す)の後に本震の断層およびその近傍で続けて起こる本震よりも小さな地震であり、日本各地で起こる大地震の余震活動は、日本全国という広い範囲で規模別頻度分布を作成した場合も明確に補足できる。また、余震活動予測は減災にも重要である。本研究では、余震数およびその継続時間の2点に着目し、2004年以降日本の内陸で起こった9個の大地震(Mw5.5以上)の余震活動を解析した。
定常的な地震活動と余震を区別するために、時空間的な余震の範囲を定義する必要がある。本研究では、本震の規模(Mw)と断層の長さの一般的な関係を用いて、本震の震央を中心とする半径10^(0.5Mw-2) kmの円内に震央があり、かつ震源の深さが30 km以浅の地震を余震の候補とした。次に、本震前180日間の地震活動を「定常的な地震活動」と定義し、余震数がそのn倍を下回った時点を余震活動の終了と定義した。すなわち、先の空間的な定義による余震の候補のうち、この時間的定義を満たすものを最終的に余震とした。ここでnは3,5,7の3種類について解析し、結果を比較した。また、2011年東北地方太平洋沖地震直後の地震の検知能力を考慮して、Mj3.0以上の地震を解析対象とした。ここで、Mjは気象庁によって決定された地震のマグニチュードである。
一般的に、本震直後の余震数は本震の規模と単純な相関があるようには見えないにもかかわらず、本震の規模と余震数には強い相関があるとの結果を得た。また、本震の規模と余震の継続時間には緩やかな正の相関があるものの、本震の規模と余震数の相関に比べると明確に弱く、余震の継続時間には本震の規模以外の要素が重要であると考えられる。その候補としては、本震の破壊の複雑さ、断層面の深さ、「定常的な地震活動」の活動度などが考えられる。このうち、「定常的な地震活動」の活動度との関連について解析した結果、「定常的な地震活動」が高い地域の本震ほど余震の継続時間は短くなる傾向がみられたが、強い相関は見られなかった。今後、本震の破壊の複雑さ断層面の深さなどとの関連を探っていきたい。
定常的な地震活動と余震を区別するために、時空間的な余震の範囲を定義する必要がある。本研究では、本震の規模(Mw)と断層の長さの一般的な関係を用いて、本震の震央を中心とする半径10^(0.5Mw-2) kmの円内に震央があり、かつ震源の深さが30 km以浅の地震を余震の候補とした。次に、本震前180日間の地震活動を「定常的な地震活動」と定義し、余震数がそのn倍を下回った時点を余震活動の終了と定義した。すなわち、先の空間的な定義による余震の候補のうち、この時間的定義を満たすものを最終的に余震とした。ここでnは3,5,7の3種類について解析し、結果を比較した。また、2011年東北地方太平洋沖地震直後の地震の検知能力を考慮して、Mj3.0以上の地震を解析対象とした。ここで、Mjは気象庁によって決定された地震のマグニチュードである。
一般的に、本震直後の余震数は本震の規模と単純な相関があるようには見えないにもかかわらず、本震の規模と余震数には強い相関があるとの結果を得た。また、本震の規模と余震の継続時間には緩やかな正の相関があるものの、本震の規模と余震数の相関に比べると明確に弱く、余震の継続時間には本震の規模以外の要素が重要であると考えられる。その候補としては、本震の破壊の複雑さ、断層面の深さ、「定常的な地震活動」の活動度などが考えられる。このうち、「定常的な地震活動」の活動度との関連について解析した結果、「定常的な地震活動」が高い地域の本震ほど余震の継続時間は短くなる傾向がみられたが、強い相関は見られなかった。今後、本震の破壊の複雑さ断層面の深さなどとの関連を探っていきたい。