09:00 〜 09:15
[SSS11-07] データ駆動型強震動予測モデル開発と共通基盤データベースの整備
キーワード:強震動、GMPE、GMM、データベース、シミュレーション、機械学習
日本の強震観測は70年近い歴史をもつが、特に1995年阪神・淡路大震災以降の強震観測体制強化により,防災科研の強震観測網K-NET, KiK-netによる80万超の記録をはじめ,多くの機関・事業者により膨大な強震観測データが蓄積されてきた.併せて地下構造探査情報が蓄積され,強震動計算のための全国地下構造モデルの構築も進んでいる.観測記録の回帰分析による強震動予測モデル(GMPE)が構築され地震ハザード評価の進展に貢献してきた.GMPEによる強震動予測の問題として,本来予測すべき巨大地震などの稀で未経験な事象に対する予測能力が観測事実によって担保されない点が挙げられる.こうした課題の克服に向けて,高度化された地下構造モデル等を利用した物理学的な理論モデルに基づく地震波動場シミュレーションによる強震動予測手法(PBS)も発展してきており,観測記録の時空間的な不足を理論モデルに基づくシミュレーションデータで補うことも可能となってきた.本研究では,観測データと理論モデルに基づくPBSデータとを融合させることにより未経験の事象を含めた強震動ビ ッグデータの構築を試み,データベースを活用したデータ駆動型解析により予測性能が高く実務側のニーズに合った強震動予測モデルを構築することを目指している.
地震災害に対する安全性確保・安心の担保のために地震ハザード・リスク評価は不可欠である。地震ハザード評価には地震の自然現象としてのばらつき、および低頻度事象ゆえの我々の人間の認識の限界に起因する「不確かさ」が存在する。社会が地震災害に備えるためのリスクマネジメントを機能させる上で地震ハザードにおける「不確かさ」を適切に考慮することが重要である。こうした地震ハザード評価の手法の一つとして確率論的地震ハザード評価(PSHA)がある。PSHAの観点からは、現在、世界的に見て最も実用的な強震動予測モデルはGMPEである.米国ではGMPE構築のための統一的な観測データベースが作られ,それを元に複数の開発者によって同条件下で複数のGMPEが作られている.複数のGMPE間の差異はPSHAにおいて認識論的不確定性として扱われ,それぞれのGMPEの性能に応じて重み付けがなされる.それに対し,日本国内のGMPEはいずれも各開発者が独自のデータセットと条件下で作成しており,GMPE間の性能比較や認識論的不確定性の評価が不十分なことが実用上の問題となっている.また特定のデータセットのみに基づく回帰式は,データセットに含まれない事象に対する予測性能が低いことも指摘されている.これらは日本において強震動予測モデル構築のための統一的な強震DBが存在しないことにも一因がある.こうした課題解決に向けて,実用性の高いGMPE構築のための観測DB構築を目的として強震DBワーキンググループを開催し,観測記録のDBの試作とGMPEの仕様の検討を進めてきた.ワーキンググループは,日本のGMPE研究者及び米国のNGA参画者,構造物設計およびリスク評価の実務に携わる企業研究者などから構成されている.
GMPEは観測事実に担保されたモデルだが,本来予測しなければならない稀な事象はまだ観測されていない.この単純で根本的な課題に対処するため,本研究では,観測データとPBSデータを融合させることにより「強震動ビッグデータ」を構築することを目指している.専門分野の異なる複数のチームで機械学習を含む多様な手法に基づいて強震動ビッグデータを解析し,これまでの強震動研究の知見の範囲を超えたデータの背後に潜む情報を引き出すとともに予測性能の高い新たな強震動予測モデル(Ground-Motion Model; GMM)を複数提案することを目標としている。このため、利活用の観点に基づくGMMの要求仕様の検討、観測データとPBSデータの融合手法の開発、多様な手法によるGMM開発、GMMのばらつきの定量評価、「点の予測」の空間補間による「面の予測」、GMMの性能評価と認識論的不確定性評価などに取り組んでいる。本発表では、こうした取り組みの現状について紹介する。
地震災害に対する安全性確保・安心の担保のために地震ハザード・リスク評価は不可欠である。地震ハザード評価には地震の自然現象としてのばらつき、および低頻度事象ゆえの我々の人間の認識の限界に起因する「不確かさ」が存在する。社会が地震災害に備えるためのリスクマネジメントを機能させる上で地震ハザードにおける「不確かさ」を適切に考慮することが重要である。こうした地震ハザード評価の手法の一つとして確率論的地震ハザード評価(PSHA)がある。PSHAの観点からは、現在、世界的に見て最も実用的な強震動予測モデルはGMPEである.米国ではGMPE構築のための統一的な観測データベースが作られ,それを元に複数の開発者によって同条件下で複数のGMPEが作られている.複数のGMPE間の差異はPSHAにおいて認識論的不確定性として扱われ,それぞれのGMPEの性能に応じて重み付けがなされる.それに対し,日本国内のGMPEはいずれも各開発者が独自のデータセットと条件下で作成しており,GMPE間の性能比較や認識論的不確定性の評価が不十分なことが実用上の問題となっている.また特定のデータセットのみに基づく回帰式は,データセットに含まれない事象に対する予測性能が低いことも指摘されている.これらは日本において強震動予測モデル構築のための統一的な強震DBが存在しないことにも一因がある.こうした課題解決に向けて,実用性の高いGMPE構築のための観測DB構築を目的として強震DBワーキンググループを開催し,観測記録のDBの試作とGMPEの仕様の検討を進めてきた.ワーキンググループは,日本のGMPE研究者及び米国のNGA参画者,構造物設計およびリスク評価の実務に携わる企業研究者などから構成されている.
GMPEは観測事実に担保されたモデルだが,本来予測しなければならない稀な事象はまだ観測されていない.この単純で根本的な課題に対処するため,本研究では,観測データとPBSデータを融合させることにより「強震動ビッグデータ」を構築することを目指している.専門分野の異なる複数のチームで機械学習を含む多様な手法に基づいて強震動ビッグデータを解析し,これまでの強震動研究の知見の範囲を超えたデータの背後に潜む情報を引き出すとともに予測性能の高い新たな強震動予測モデル(Ground-Motion Model; GMM)を複数提案することを目標としている。このため、利活用の観点に基づくGMMの要求仕様の検討、観測データとPBSデータの融合手法の開発、多様な手法によるGMM開発、GMMのばらつきの定量評価、「点の予測」の空間補間による「面の予測」、GMMの性能評価と認識論的不確定性評価などに取り組んでいる。本発表では、こうした取り組みの現状について紹介する。