日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT35] 地震観測・処理システム

2021年6月4日(金) 17:15 〜 18:30 Ch.16

コンビーナ:鈴木 亘(国立研究開発法人防災科学技術研究所)

17:15 〜 18:30

[STT35-P02] DAS計測技術を用いた新幹線沿線布設光ファイバーにおける高密度地震観測

*吉見 雅行1、井出 哲2、岩田 秀治3 (1.産業技術総合研究所活断層・火山研究部門、2.東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学、3.東海旅客鉄道株式会社)

キーワード:DAS、地震観測、列車振動

新幹線軌道沿いに敷設された通信用光ケーブルを用いて,DAS(AP sensing製 N5226A)による高密度地震観測を実施した.測定対象は静岡県西部の約5.8km区間である(うち約4kmは新幹線営業線沿い,残りは工場への引込線および工場敷地).光ケーブル芯線4本を測定対象区間始点と終点のケーブル接続箱にて折返し接続して1本の光経路にし,2往復分約25kmのデータを取得した.測定対象区間の2地点に比較用の地震計(ミツトヨJEP-6A3+LS8800データロガー)を約11m間隔で設置し同時観測を実施した.観測期間は2021/01/12 21時から2021/01/20 12時である.観測パラメータ(サンプリング周波数[500, 1000, 2000 Hz],空間サンプリング[1.27, 2.55, 5.1 m],ゲージ長[5.1 , 10.2, 20.4, 40.8 m])を適宜変えながらほぼ連続的にデータを取得した.データ量は1日あたり最大約3TBであった.

測定対象区間の光ケーブルは高架橋,盛土,桁橋,自然地盤など様々な地盤・構造物上に敷設されている.新幹線通過時の記録では,光ケーブルの設置環境による振動の違いが明瞭に認識できる.

今後は構造種別毎の振動特性分析,自然地震観測への適用可能性などを検討する予定である.