日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-01] 地球惑星科学コミュニティと日本学術会議

2021年5月31日(月) 09:00 〜 10:30 Ch.01 (Zoom会場01)

コンビーナ:田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、佐竹 健治(東京大学地震研究所)、沖 大幹(東京大学大学院工学系研究科)、木村 学(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、座長:田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、沖 大幹(東京大学大学院工学系研究科)

09:05 〜 09:30

[U01-02] 日本学術会議のより良い役割発揮に向けて

★招待講演

*梶田 隆章1,2 (1.日本学術会議、2.東京大学)

キーワード:日本学術会議、科学的助言、アカデミー

多くの国には国を代表するアカデミーが存在し、それらのアカデミーは政府から独立性を保ち、不偏かつ科学的な見地から社会の未来像を提言したり、国際的な連携活動を通じて科学の共通認識を形成したりしています。日本学術会議は1949年に科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として設立され、それ以来日本のアカデミーとしての役割を果たしてきました。
 この70年あまりの間に科学が驚異的に発展し人間活動が巨大化し、生活を豊かにすると共に、地球温暖化や海洋プラスチック問題などの人類の持続可能性を脅かす問題も顕在化しています。また現代社会は、人口減少・少子高齢化、世代間・ジェンダー・マイノリティ格差、絶え間ない地域紛争などの多くの問題を抱えています。日本学術会議は、そうした課題について、学術分野横断的な審議により、そして世界のアカデミーと協力して、見識ある提案や見解を対外的に発信し、社会制度の在り方の選択に寄与したいと希求しています。
 時代の変遷と共に日本学術会議に求められる役割も変化します。そこで、日本学術会議は、2020年10月より検討を始め、同年12月に「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて(中間報告)」を発出し、また今年4月には最終報告を出すべく準備をしています。本講演では、日本学術会議のより良い役割発揮に向けての考え方を紹介し、今後の日本学術会議の在り方を皆さんと共に考えていければと思います。