日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-01] 地球惑星科学コミュニティと日本学術会議

2021年5月31日(月) 10:45 〜 12:15 Ch.01 (Zoom会場01)

コンビーナ:田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、佐竹 健治(東京大学地震研究所)、沖 大幹(東京大学大学院工学系研究科)、木村 学(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、座長:佐竹 健治(東京大学地震研究所)、木村 学(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

11:00 〜 11:15

[U01-08] ナショナルアカデミーとしての国際学術団体への貢献

★招待講演

*三枝 信子1 (1.国立環境研究所)

キーワード:日本学術会議、国際活動推進、ナショナルアカデミー

地球惑星科学は、地球や太陽系をとりまく宇宙空間の科学から、地球表層の現象を扱う大気水圏科学、固体地球科学、生物地球化学、そして地球規模の自然環境や人間社会の持続可能性を扱う科学をも含むきわめて幅広い分野である。そして世界のさまざまな国や地域の科学者と「地球」という共通の研究テーマに向かうとき、地球規模の観測、現象解明、将来予測、成果の社会実装、それらに必要な人材育成、いずれをとっても国際連携が前提となる。

日本学術会議の地球惑星科学分野には数十の分科会と小委員会が設置されており、その多くは国際学術団体に対応する日本の窓口をつとめている。日本学術会議が加入している国際学術団体は44あるが、そのうち12団体は地球惑星科学分野にある。日本学術会議がカバーする数多くの学問分野の中でも、地球惑星科学分野は、国際連携の強化とそれを先導する人材輩出において特に重要な任務を負っていると言えるだろう。

地球惑星科学分野の分科会や小委員会が日本の窓口を務める国際学術団体は多様な役目を担っている。例えば、地理情報や地図の標準化には、それを調整する国際アカデミーの役目が不可欠である。また、固体地球から宇宙空間に至る多様な空間スケールでの地球システムの把握には、各種観測手法やデータ品質管理・品質保証の標準化、地球規模での観測網とデータベースの構築が必要で、それらを科学的知見に基づいて調整・推進する上で各分野の国際学術団体が貢献している。さらに、国際的な環境規制の確立には、国際学術団体がまとめる科学的根拠が欠かせない。本講演では、こうした国際学術団体の役割を紹介するとともに、日本学術会議がナショナルアカデミーとしてどのように貢献してきたかを含めて議論する。