日本地球惑星科学連合2021年大会

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[U-03] 「はやぶさ2」地球帰還!太陽系科学の最前線

2021年6月1日(火) 09:00 〜 10:30 Ch.01 (Zoom会場01)

コンビーナ:岡田 達明(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、中本 泰史(東京工業大学)、黒田 大介(京都大学)、座長:岡田 達明(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、中本 泰史(東京工業大学)、YACHEN YANG(Center for Space and Remote Sensing Research)

10:00 〜 10:30

[U03-03] 「はやぶさ2」再突入カプセル回収とこれからのサンプル分析

★招待講演

*橘 省吾1,2 (1.東京大学大学院理学系研究科宇宙惑星科学機構、2.宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)

キーワード:はやぶさ2、小惑星、サンプルリターン、太陽系

探査機「はやぶさ2」は近地球C型小惑星リュウグウ探査および二度の着地に成功し,2020年12月に再突入カプセルを地球に届けた.再突入カプセル内のサンプルコンテナは豪州で回収直後に慎重に取り出され,内部のガスを採取した後に,日本に輸送された.宇宙科学研究所キュレーション施設で,サンプルコンテナはサンプル開封機構に設置され,キュレーションチャンバー内の真空環境で開封された.コンテナ内のサンプル格納室には二部屋に分かれて,黒色の粒子が収納されていた.それぞれ二度の着地時に採取されたものと考えられる.サンプル総量はミッション目標の 100 mg を上回る 5 g 超であった.

C型小惑星は炭素質コンドライトとの関連が指摘されており,太陽系初期の物質進化プロセスをよく保存していることが期待される.また,含水鉱物や有機物を含み,原始地球への水や有機物の供給源となった可能性もある.講演では,今後おこなわれるサンプル分析への期待も紹介する.