日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-09] 包摂的協働によるSDGs推進II:地域社会への関与

2021年6月1日(火) 15:30 〜 17:00 Ch.01 (Zoom会場01)

コンビーナ:中村 秀規(公立大学法人富山県立大学)、Vincent Tong(University College London)、清水 美香(京都大学)、野口 扶美子(国連大学サステナビリティ高等研究所)、座長:中村 秀規(公立大学法人富山県立大学)、Vincent Tong(University College London)、野口 扶美子(国連大学サステナビリティ高等研究所)、清水 美香(京都大学)

16:45 〜 17:00

[U09-06] 学生主導の地域協働活動とSDGs

★招待講演

*山浦 稜太1、渡辺 真妃1、鈴木 美咲妃1、神村 佑1 (1.公立大学法人富山県立大学)

キーワード:地域連携、地域協働、大学内協働、PBL

地域協働研究会COCOSとは、富山県立大学が文部科学省「地(知)の拠点整備事業」(COC事業)の採択校になったことを機に、2014年4月に発足された学生団体のことである。地域課題解決と富山県の魅力発信を目的に、学生が主体となって企画の提案・運営を行うなどの活動をしている。本発表では、学生主導の地域協働活動に関する、学生による事例紹介を通じて、SDGs時代における学生と教員・スタッフ(University Education Administratorを含む)の協働の在り方、そして地域社会と大学のかかわり方を考える素材を地球科学教育研究コミュニティに提供したい。
 2020年度には、SDGs関連の活動として、SDGs未来都市の一つである富山県南砺市と協働でボードゲームの制作が行われている。このボードゲーム制作は、南砺市が実際に取り組んでいる事例や、日常生活に関するSDGsにつながる行動に焦点を当て、子どもから高齢者まで、ボードゲームを通して楽しみながらSDGsについて学んでもらいたいというねらいで始められた。2021年3月の完成を目指し制作中であり、今後は、ボードゲームを活用した小中学生との交流会のほかに、SDGsを分かりやすく理解してもらうためのワークショップを開催することなどを計画している。
COCOSでの活動は、参画した学生の大学生活に大きな影響を与える。普段の勉強だけでなく、実際に在住県の様々な場所を見に行ってその土地の雰囲気や特色を五感で感じることができる。また、地域と関わることが、学生にとって、社会人として自立していくために必要な力をつける機会ともなる。具体的には、コミュニケーション力、課題解決能力・アイデア力、ビジネスマナーである。学生自身の成長体験と納得から、地域の人や企業との関わりとを学生一人一人に与える機会を創出し増やすことが重要であるといえる。さらに、地域協働で学生が主体的に活動するだけでは、一方的な自己満足の活動で終わってしまう恐れがあるため、教員・スタッフには地域の協働相手のニーズや課題を学生が深く理解する機会の創出が求められている。一方で、教員・スタッフにとっても、地域活動を学生と行うことで地域との関係性が柔軟に構築され、目的を達成できることも多くある。このように、両者がパートナーとして対等な関係で活動を行うことが結果的に地域社会と大学とのより良い関係性の構築につながると考えられる。