日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[U-14] 変動する地球に生きるための素養を育む地球教育の現状と課題

2021年6月5日(土) 17:15 〜 18:30 Ch.01

コンビーナ:市川 洋、中井 咲織(京都光華女子大学こども教育学部こども教育学科)、熊谷 英憲(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、西 弘嗣(東北大学学術資源研究公開センター 東北大学総合学術博物館)

17:15 〜 18:30

[U14-P01] JpGU教員養成等検討WGの活動状況

*熊谷 英憲1、中井 咲織2、日本地球惑星科学連合教育検討委員会 教員養成等検討WG (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構、2.京都光華女子大学)

キーワード:教員養成、地学に割ける授業時間数

地球惑星科学連合には教育検討委員会が設置されている。連合は事業として地球惑星科学に関わる研究成果の刊行及び教育普及を行うこととなっているが、そのうち、学校教育及び社会教育における地球惑星科学に関わる諸問題をこの委員会が担当する。これは、自然災害の多い日本列島で生きながら、地球環境問題や資源・エネルギー問題について考えることができるリテラシーを持つ市民を育成する必要があるとの認識に基づく。具体的な活動はその下に設置されている、教育課程小委員会、大学及び大学院教育小委員会、国際教育対応小委員会、教員養成等検討WGが分担する。当初委員会は、各学協会選出の委員のみで構成されていたが、現在は、各学協会推薦を経ずに個人でも参加が可能となっている。このなかで教員養成等検討WGは、教員養成等にかかわる諸問題について検討するために2019年に設置され、地学教育の理念から見直し、教員養成等に係る課題を整理し、理数系学会教育問題連絡会などに働きかけることを目的としている。本格的な活動を開始しようとした矢先に新型コロナウイルス感染症が広まったことから、議論の途上での足踏みを余儀なくされているとともに、教育の現場が、大学も含めて対応に追われることとなっているが、小中高の理科教員が養成される過程での地学的内容の扱いについてフォーカスしての検討を始めている。第1回WG会合で整理された論点は以下のとおりである。
1:現在の教員養成の問題点は「小中高とも地学をほとんど学ばずとも教員になれる」ことである
1)現在(まで)の教員養成には制度上の制約があり、割当単位数から計算される「地学に割ける授業時間数」は非常に少ない
2)この制約下(単位数・授業時間数)で教えるべき内容は何か、議論が必要
2:理工系大学(院)で理科免許を取りずらくなっているとの認識がある。原因はどこにあるか
3:検討にあたって、小学校教員養成・小学校学習指導要領などの状況についても調査すべき

本セッションを契機に、以上の議論・調査を進展させていきたいと考えている。