日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG45] 陸域〜沿岸域における⽔・⼟砂動態

2022年6月3日(金) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (14) (Ch.14)

コンビーナ:山崎 大(東京大学生産技術研究所)、コンビーナ:木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、浅野 友子(東京大学)、コンビーナ:有働 恵子(東北大学災害科学国際研究所)、座長:山崎 大(東京大学生産技術研究所)、有働 恵子(東北大学災害科学国際研究所)、浅野 友子(東京大学)、木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)

11:00 〜 13:00

[ACG45-P03] 日本域における航空写真を用いた60cm解像度水面マップ

*渡辺 恵1山崎 大1 (1.東京大学 生産技術研究所)

キーワード:水面、高空間分解能、RGB、航空写真、ベイズ推計、水文地形

川幅は洪水モデリングなどあらゆる側面で必要不可欠なパラメーターである。しかしながら、現存する全球規模の河川モデルでは、小規模河川の川幅は、流量や集水面積から経験式に基づいて導出されることが一般的である。したがってより高解像度の川幅データの開発が求められている。Planetをはじめとした最新の光学衛星画像や航空写真は、その高い解像度から注目を集めている。このようなリモートセンシングデータを利用することにより、高解像度の水面マップ開発が期待できる。日本域では約60cm解像度の航空写真が利用可能である。一方で、航空写真は可視光のうち、RGB成分のみ利用可能である。従来の水面検出方法では、可視画像に加え、赤外画像も必要となる。本研究では、赤外画像を用いることなく、航空写真から得られるRGB成分に基づき、日本域を対象として約60cm解像度の水面マップ開発を行う。開発した水面マップを用いて、最終的に高解像度の川幅データを作成することを目指す。本手法では、約60cm解像度の航空写真と約10m-30m解像度のLandsat(G1WBM)と地理空間統計データに基づく水面情報を用いて、ベイズ推計により水確率を求めた。また、水文地形データであるJ-FlwDirを地形情報として参照することにより、水面と同様の色情報を持っているが水面ではない対象物を切り分ける工夫を行なった。初めに、航空写真から得られるRGB成分は、Hue-Saturation-Value (HSV)色空間へと変換を行なった。次に、主にHSV色空間に基づき、航空写真の各ピクセルの分類を行い、その分類結果をベイズ推計の条件付き確率とした。その結果、分類された各ピクセルに対して水確率の計算を行なった。本手法により求めた水確率により、いくつかの事例では、既存の約30m解像度のLandsatに基づく水面マップでは検出することのできなかった数mスケールの小規模河川も検出できることが確かめられた。開けた空間に存在する河川や植生などにより覆われていない河川に関しては、比較的よく検出できた。一方で、一部植生などからの誤検出も見られたため、更なる改善を要する。今後、開発した水面マップに基づき、高解像度川幅データを作成する。