14:00 〜 14:15
[G03-02] 通常の授業時間に校外学習を押し込んでみたら
-狭い教室をオンラインで地球サイズにする試み-
キーワード:バーチャル巡検、ミニ出前講座、研究室見学、地学地理授業、観光
学習者が教師や他の学習者と離れた状況で学ぶことができる遠隔での学習は,いわゆる通信教育以外にも,遠隔学習や交流授業として行われてきた.特に高速化したインターネットが普及してからは遠隔授業の導入が増えた.例えば早川ほか(2015)は実地で行った巡検とインターネット上の地図をもとに,オンライン式の巡検コンテンツの構築を行った.この場合,利用者は公開後にオンデマンドとして(時間を異にして)これらのコンテンツを利用するため,案内者と参加者に直接のやりとりは無い.筆者は海外の山岳域での調査中に,現場と高校の地学授業や地域の子どもの集まりとをSkypeで結ぶ試みを行った(小森・内記(2012.JpGU予稿).また,2020年春以降のコロナ禍の中では,高校地学や地学オリンピック参加者向けの地学巡検や子供から大人向けの被災地スタディーツアーを実施してきた(小森,2021.JpGU予稿).さらに,2021年夏以降は,通常の授業の中に学外施設の見学やバーチャル巡検を取り入れてみた.しかし,こういった各教員や研究者による経験の蓄積と共有は十分に行われていない.そこで,本論ではまずオンラインでの野外学習に関する事例を収集して現状を概観する.さらに,通常授業にオンラインの校外学習や巡検を取り入れた筆者らの事例について詳しく紹介する.このうち,沖縄で実施した企画では,福徳岡ノ場噴火による漂着軽石に注目した企画についても触れる.最後に,それらから見えてきた効果,課題,および今後の展望について報告する.