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[HDS09-P02] 集落立地の地形特性-救援物資輸送計画の基礎データとして-
キーワード:数値標高モデル、収束指数、集落立地、緊急輸送ルート
近い将来発生するとされる南海トラフ沿いの巨大地震は,東日本大震災と比べても広域的かつ甚大な被害をもたらすと想定され,発災直後には,サプライチェーン・ライフラインの寸断による障害を考慮しなければならない.東日本大震災では「くしの歯作戦」と呼ばれた救援物資輸送路の啓開が功を奏したとされるが,南海トラフ地震の被害想定地域と東北地方とでは,さまざまな条件が異なる。しかし,そうした地域性を踏まえた実証的研究は,十分に蓄積されているとは言いがたい.また,調達地から広域物資拠点への輸送に関しては,いくつかの検討等を目にするが,広域物資拠点から集落や自治会避難所への輸送については乏しく,合わせて具体的に検討する必要がある.本研究では,救援物資輸送計画上の課題点を明確にするべく,集落の地形的特性について調査した.
まず,本研究において,集落は住家の集合とみなし,国土基本情報の建物ポリゴンから50mのバッファを作成して,集落の概形(以下,集落ポリゴン)を捉えることとした.地形特性については,いくつかの地形量を試行した結果として,国土基本情報の数値標高モデル(50mDEM)をもとに,地表の曲率を表す収束指数(Convergence Index,以下,CI)を指標として用いることとした.続いて,集落ポリゴン毎にCI値の統計量(平均,最頻,分散など)を付与した.以上の処理にはQGISを使用し,解析範囲は,南海トラフ地震の被害想定地域のうち,紀伊半島3県と四国地方4県,東北地方太平洋岸3県である.本発表では,集落と輸送ルートの地形特性の地域性を紹介し,これに基づいて南海トラフ地震の被害想定地域における救援物資輸送計画の課題点について議論する。
まず,本研究において,集落は住家の集合とみなし,国土基本情報の建物ポリゴンから50mのバッファを作成して,集落の概形(以下,集落ポリゴン)を捉えることとした.地形特性については,いくつかの地形量を試行した結果として,国土基本情報の数値標高モデル(50mDEM)をもとに,地表の曲率を表す収束指数(Convergence Index,以下,CI)を指標として用いることとした.続いて,集落ポリゴン毎にCI値の統計量(平均,最頻,分散など)を付与した.以上の処理にはQGISを使用し,解析範囲は,南海トラフ地震の被害想定地域のうち,紀伊半島3県と四国地方4県,東北地方太平洋岸3県である.本発表では,集落と輸送ルートの地形特性の地域性を紹介し,これに基づいて南海トラフ地震の被害想定地域における救援物資輸送計画の課題点について議論する。