日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI32] 地球掘削科学

2022年5月27日(金) 09:00 〜 10:30 201B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:針金 由美子(産業技術総合研究所)、コンビーナ:藤原 治(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、濱田 洋平(独立行政法人海洋研究開発機構 高知コア研究所)、コンビーナ:黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)、座長:針金 由美子(産業技術総合研究所)、黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)、藤原 治(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、濱田 洋平(独立行政法人海洋研究開発機構 高知コア研究所)

10:15 〜 10:30

[MGI32-10] Selective 3D visualization of pore space in geologic material by impregnation of heavy element-containing liquid

*諸野 祐樹1浦本 豪一郎2、上杉 健太朗3、竹内 晃久3安武 正展3谷川 亘1 (1.海洋研究開発機構高知コア研究所、2.高知大学、3.高輝度光科学研究センター(JASRI))

キーワード:X線CT、孔隙

三次元的な試料中に存在する空隙について情報を得るためには、例えば試料を樹脂で包埋したものをミクロトームなどで平面切断した表面、または試料を連続的に薄くスライスして作成した薄片などの(電子)顕微鏡による観察結果から三次元構造を可視化するような試みが行われている。また、X線CTを利用した三次元可視化においては、試料を構成する物質のX線吸収係数の違いにより空隙と物質部分を見分けることが行われ、三次元構造中でX線吸収係数の低い部分が空隙部分として検出されていた。
しかし、炭素や窒素、酸素、水素などの軽元素から成る有機物は空隙に存在する水と同様にX線吸収率が低い。そのため、X線吸収係数が高い鉱物などを含む地層試料などの場合には、空隙と有機物を見分けられるほどコントラストが得られることが困難となる。共にX線吸収率が低い水と有機物を見分け、水や流体が浸透可能な空隙を可視化することが課題となっていた。
本研究では上記課題を解決するため、重元素を空隙に導入する方策について検討した。X線CTで可視化した空隙の例を示し、その活用について議論したい。