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[MIS20-P02] 豪州南極海盆大陸斜面上の海洋混合
キーワード:鉛直混合・水平混合、キャベリング・サーモバリシティ、子午面循環
豪州南極海盆南方の大陸斜面上で 2018/19 シーズンに行われた KY18-04 開洋丸航海の結果から鉛直・水平混合を推定した。温度塩分圧力プロファイラ CTD から等密度面の変位(ストレイン)・降下式流速計 LADCP から水平速度の鉛直変化(シア)を推定しそこから Gregg-Henyey-Polzin パラメタ化を用いて内部波の砕波にともなう鉛直混合係数を 9×10-5 m2/s (密度 1028.05 kg/m3 面上)から 1.4×10-4m2/s(密度 1028.3 kg/m3 面上)と推定。これに対し定常を仮定した移流拡散バランスを当てはめて水平混合係数を 20m2/s から 560 m2/s と推定した。これらの推定値は従来の南極環海流内で推定された水平拡散より小さい。しかしこの水平混合の結果、海水の状態方程式の非線形性に由来するキャベリングは大きく鉛直混合による鉛直輸送と同程度の下向き鉛直輸送を生じることが分かった。