日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS27] 大気電気学:気候変動に関連した大気電気現象

2022年5月25日(水) 13:45 〜 15:15 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、コンビーナ:長門 研吉(高知工業高等専門学校)、座長:長門 研吉(高知工業高等専門学校)、芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)

14:30 〜 14:45

[MIS27-04] 東京と金沢における雷日数の経年的増加について

*鴨川 仁1鈴木 智幸1財城 真寿美2 (1.静岡県立大学グローバル地域センター、2.成蹊大学経済学部)

キーワード:雷日数、気温、雷

気温の上昇と雷活動の活発化は広く知られている(Williams, Science, 1992)。そのことから長期の地表付近の平均気温の変化と、雷活動の変化は気候変動研究の1つのトピックとなっている。気象庁(中央気象台)によって各地の気象台や測候所で観測された雷日数(雷鳴を観測者が検知した総日数)は1880年代より記録されており、いまなお観測が続いている(Kitagawa, JGR, 1989)。1930年代以降、北陸地域における雷日数は数倍以上になるほど増加しており、このことは多くの研究者が指摘している。本研究では、日本における夏季雷の雷日数の長期変動を調べるために、夏季の東京(江戸)の雷日数を調査する。長期の変動の起因を調べるため、古日記から再現された江戸の7月の気温(財城&三上, 地学雑誌, 2013)および気象庁(中央気象台)による計測機器による気温との対比をした。その結果、長期に渡る気温の上昇とともに雷日数の増加が見られたことから、気温の変化が雷日数の増加に起因していると推察された。次に、金沢における冬季雷期間における雷日数の経年的増加の理由を調べるために、海水温度および高層気象データを調べた。その結果、海水温の上昇および高層における気温の低下が長期的になされているため、雷日数の増加は、冬季雷の積乱雲がより作られやすい環境が形成されていることが原因ということがわかった。