11:00 〜 13:00
[MZZ47-P08] 小笠原海台南海山で採取されたマンガンクラストの微細層序学的検討
キーワード:マンガンクラスト、微細層序、小笠原海台、成長速度
マンガンクラスト(以下,クラスト)とは、世界の海洋底の基盤岩の表面に発達する数㎝の厚さの海水起源の鉄・マンガン酸化物の被覆で、副成分として,多種の金属のほか,ケイ酸塩鉱物やリン灰石を含む。クラストを成長速度が極めて小さな堆積物コアとみなすと,多様な地質環境に応じて多様な物理的,鉱物,化学的な特徴を示すことが期待される。本研究では,太平洋プレート西端に位置し,伊豆小笠原マリアナ弧に近接する小笠原海台南海山(水深1356〜1710m)からROVにより採取されたクラストを対象として,成長構造,形態,化学・鉱物組成の変化特徴に基づいて,mmスケールでの微細層序の対比を試みた。これらは、地形・地質の変化に応じた堆積当時の環境復元に繋がることが考えられる。また、巨大な海台である小笠原海台は、日本列島の南西に位置し、大陸や活動的島弧に近いため,大陸や火山列からの砕屑物の供給などについて、遠洋域海山とは大きく地質環境が異なることが考えられる。7個のクラストについて、肉眼観察・採取時の現場状況の推測・顕微鏡観察・測色,元素マッピング・鉱物同定・10Be年代測定を行い,その地域的年代的多様性と特徴を把握した。クラストの微細層序学的分析から,概ね,どの試料の採取地点でも共通した微細層序が確認でき,小笠原海台南海山東斜面の0.79kmの範囲に分布する大半の試料は互いに類似した堆積順序・成長構造をもつことが明らかになった。一方で,試料間で微細層序が必ずしも対応しない例もあり、小笠原海台特有の微細層序もある。
露岩を基盤としたクラストが,斜面の崩壊,海底地滑りなどにより,生成後,クラストが,崩壊,転動,移動などによって,成長構造の変化,構成鉱物の変化などを引き起こしている可能性がある。ここでは、クラストを各層ごとに3-5mm間隔の組成分析,Be年代測定,顕微鏡観察から、含まれる砕屑物や成長構造の対比をおこない、小笠原海台のクラストの独自の環境変動を明らかにする。
露岩を基盤としたクラストが,斜面の崩壊,海底地滑りなどにより,生成後,クラストが,崩壊,転動,移動などによって,成長構造の変化,構成鉱物の変化などを引き起こしている可能性がある。ここでは、クラストを各層ごとに3-5mm間隔の組成分析,Be年代測定,顕微鏡観察から、含まれる砕屑物や成長構造の対比をおこない、小笠原海台のクラストの独自の環境変動を明らかにする。