09:03 〜 09:33
[O04-01] 研究職の魅力
★招待講演
キーワード:研究職、野外観測
科学の魅力。それにとりつかれて今日までやってきました。決して最初から大学院に進学したいとか研究者になろうと思っていたわけではなく、高校、大学までは、性差なく仕事を評価してもらえる教職につきたいなと思っていました。大学4年の時、卒業論文の研究に携わり、指導教官からフィールドワークの面白さを学びました。特に南極での観測の経験の話は私にとっては非常に魅力的に感じ、フィールドワークの経験を積んでから就職しても良いなと思うようになりました。そこで進学を考え、南極観測の隊員を多く輩出している名古屋大学大気水圏科学研究所への大学院修士課程への進学を決めたのです。修士課程へ進学後は、研究室にあった海底堆積物を試料に用いて修士論文の研究を進めました。修士課程2年になると、教職ではなく、環境関連の会社に就職を決めて、フィールドワークを経験することなく修了しそうになっていました。そのため、指導教官に頼み込んで、修士論文を早めに書き上げて、12月に太平洋赤道域の研究航海に参加させてもらったのです。研究航海は私にとっては世界が変わるほどの経験でした。採水、プランクトン採取、海底堆積物の採取、いずれも初の経験。とても楽しいと同時に、海底堆積物などは、数千年前、数万年前に堆積したものが目の前にある、悠久の時間を感じとても感動したものです。一緒に乗船していた指導教官曰く「このサンプルは君の後輩が分析することになる。だって、君は就職してしまうからね」。とても惜しくなり、自分で採取した試料を使って是非自分でその研究成果を出したい!と強く思い、就職を断ってすぐさま博士課程への進学を決めました。このようなフィールドワークにおける試料採取の楽しさに目覚め、やめられずそのままこの研究の世界で生きてきました。そんな無邪気な思いだけで今日まで至っており、このような私のストーリーから研究職の魅力が少しでも皆さんに伝わると嬉しいです。