日本地球惑星科学連合2022年大会

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[O-04] 博士ってどうやったらなれるの?どんな仕事があるの?

2022年5月22日(日) 09:00 〜 10:30 302 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)、コンビーナ:宋 苑瑞(早稲田大学)、座長:宋 苑瑞(早稲田大学)、阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)

09:33 〜 10:03

[O04-02] 好きなことで、生きていく~研究者という生き方~

★招待講演

*熊谷 洋平1 (1.株式会社tayo)

キーワード:研究者のキャリア

末は博士か大臣か」。昔は、子どもの将来を期待してそんな言葉が語られたそうです。なりたい職業ランキングなどを見ても研究者はいつも上位に入るので、YouTuber登場のはるか以前から「好きなことで、生きていく」という生き方を実現してきた研究者は、今も昔もサイエンス好きな子供たちの憧れの職業なのでしょう。

とはいえ、どこの世界でも夢と現実にギャップはつきもの。
博士号はかつては、「足の裏の米粒」に例えられ、「取っても食えない、取らなきゃ気になる」ものだとされてきました。実際に日本の博士課程進学率も下がり続けており、なりたい人が多い割に実際に目指す人は少ないという状況です。

「研究者 キャリア 課題」とかでGoogle検索すると「ポスドク問題」とか「アカデミアのポスト不足」など不穏な単語が色々と出てきますし、Twitterで検索すると、より生々しい現場の研究者の悲痛な声もいっぱい出てくる。「研究業界、ハッピーな世界なの?」と聞かれて、「Yes」と即答できる人はあんまりいないんじゃないでしょうか。

とはいえ極端な意見や抽象的すぎるお話が広まりやすいのがインターネット。人生の指針を決める上では実際の先人たちの声を聞くのが一番良いのではないかと思うので、このようなイベントはとても有意義だと思います。

せっかくこのような素晴らしいイベントでお話しする機会を頂けたので、この発表では、自身も海洋微生物学の分野で博士号を持ち、民間企業でのデータサイエンティストやJAMSTECでの研究員を経験し、現在は自身で起業し科学者のキャリア支援に携わっているという私の立場から、以下のような疑問にお答えしたいと思います。

・研究者になるにはどうすればいいの?
・研究者って食べていけるの?
・どんな分野を選べばいいの?
・どんな職業があるの?
・留学ってした方がいいの?
・大学院ってどれぐらいお金かかるの?
・どういう人が向いているの?

先に言うと、全ての疑問に関する回答は「時と場合による」。
「時」に関しては、最近の博士進学や研究者の就職を取り巻くニュースをご紹介し、「場合」に関しては私の知っている事例をいくつかご紹介できればと思っております。