日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-04] 博士ってどうやったらなれるの?どんな仕事があるの?

2022年5月22日(日) 09:00 〜 10:30 302 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)、コンビーナ:宋 苑瑞(早稲田大学)、座長:宋 苑瑞(早稲田大学)、阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)

10:03 〜 10:18

[O04-03] フィンランド出身の女性研究者が、どの道をたどって日本で地震発生メカニズムの研究をすることになったのか?

★招待講演

*坂口 イロナ 1 (1.名古屋国際工科専門職大学)

名古屋国際工科専門職大学の坂口イロナと申します。フィンランド出身ですが今は名古屋に住んでいます。昨年、名古屋大学大学院を卒業し、博士(理学)を取得しました。博士課程の研究の主な部分と現在の研究は、沈み込み帯における含水鉱物の構造と組成を研究することに焦点を合わせています。含水鉱物から放出される流体は、沈み込み帯における地震の発生メカニズムと関係があると考えられているため、このテーマは多くの研究者にとって大変興味深いものです。

「フィンランド出身の研究者が、どういった道をたどって日本で地震発生メカニズムの研究をすることになったのだろう?」と思っているかもしれません。私の日本への道は、予想外の曲がり角や脇道がたくさんありました。この長い道のりで、自分の好奇心のままに進み続けて、フィンランドのヘルシンキ大学で地理を学び、京都の同志社大学で日本語を学び、最終的には名古屋大学で地質学の博士号を取得しました。

地質学の博士課程で学んだことは、私の人生において最高の経験のひとつとなりました。地質学者は、冒険家であり、実験科学者であり、探偵のようなものです。例えば、活火山を登ったり、アメリカのデスバレーやグランドキャニオンを横断したり、太平洋の真ん中で10日間調査航海をしたり、台湾の亜熱帯雨林で集中的にフィールドワークをしたりと、地質学の勉強は私に驚くべき冒険の数々をもたらしました。もちろん、博士研究をしていた時によくストレスが溜まりました。さらに、日本のシステムがよく理解できない外国人として様々な苦労しました。日本に来てから、私は大学で働く上で困難を克服する方法をいち早く学ぶ必要があったので、私が学んだ様々な障害に対処する方法を紹介したいと考えます。

この学会発表では、日本で働く国際研究者の世界を少し垣間見ることができれば幸いです。もしかしたら、あなたも好奇心を刺激され、安全でまっすぐな道を行くのではなく、未知の道に歩き、それがどこに行き着くかを見つけられるかもしれません。