日本地球惑星科学連合2022年大会

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[O-08] 高校生ポスター発表O08-P61~P80

2022年5月29日(日) 15:30 〜 17:00 オンラインポスターZoom会場 (2) (Ch.02)

15:30 〜 17:00

[O08-P71] 多摩ニュータウンの開発による河川の流路変遷と丘陵地の盛土・切土

*加藤 千春1、櫻井 茜1、土橋 茜音1、藤崎 結羽1 (1.東京都立立川高等学校)


キーワード:河川地形、盛土・切土、都市開発、防災

私たちが住んでいる多摩ニュータウンでは、過去の開発事業で、勾配のある土地を平坦にする大規模な盛土・切土と、蛇行していた流路を直線状に変更する河川改修が行われたことに興味をもち研究を行うことにした。本研究では、これらの地形との関連と防災面での危険性について調べるために、文献や古地図の調査、東京都や多摩市にインタビュー調査を行った。
まず盛土造成地マップを基にフィールドワークを行い、勾配のある土地を平坦にする盛土の特徴的な形が各所で確認できた。また、多摩市防災安全課の方に盛土の危険性についてインタビュー調査を行い、市内で過去15年以内に崩れた場所は盛土された場所よりも自然の崖の方が多いことが分かった。フィールドワークでは高さ20mにも及ぶ、大規模な盛土が見かけられたが、急坂を緩やかにしたり、谷を埋めて平坦な地形にしたりするなど生活に利便性をもたらしていると考えられる。しかし、大地震が起きたら崩れる可能性はないのか、盛土の記録を今後も忘れずにいることが大切だと感じた。
また、フィールドワークによって、川が蛇行していた様子がよく分かり、過去の流路が推測できた。かつての流路は標高が低くなっており、暗渠や道としての痕跡がみられた。これらの痕跡から、以前の川の氾濫原や、開発による盛り土などの様子が推測できた。資料から開発前は蛇行し、洪水を繰り返していたことがわかったが、開発後から現在まで氾濫が起きていないことから、乞田川の大規模な改修は水害を防ぐ面では成功したといえる。一方で、現在の川はコンクリート護岸で深く掘られていて人が入れるような川ではないため、親しめるような川にすべきだという課題が残っている。