日本地球惑星科学連合2022年大会

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[J] ポスター発表

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[O-08] 高校生ポスター発表O08-P61~P80

2022年5月29日(日) 15:30 〜 17:00 オンラインポスターZoom会場 (2) (Ch.02)

15:30 〜 17:00

[O08-P79] 仙台西部、古カルデラ群における地質構造に関する考察

*遠藤 隼介1、*福澄 茉音1、*小島 熙平1、*音道 凛旺1 (1.宮城県仙台第三高等学校)


キーワード:地質図、カルデラ、地質構造

地質図は建設・土木事業や災害対策など多種多様なものに役立てられているが、この需要に対して、十分に詳細な記述がなされていない地域はまだ多い。そこで我々は自分たちの生活圏に近い仙台市西部に目を向け、この地域における25000分の1地形図を元に地質図の作成に向けて自らの手で地質調査を行うこととした。先行研究では古仙台湖と呼ばれる湖沼とそこで形成された白沢層の存在や、奥羽山脈周辺に形成されたカルデラ群、特に戸神山周辺においては深野カルデラ・定義カルデラの存在が示唆されている。
 調査地点は仙台市戸神山(写真1,2)とし、計4回のフィールドワークを経て岩石分布の記録、走向傾斜等のデータの採取を行った。戸神山周辺では山頂では安山岩が、山頂から中腹にかけては凝灰岩が、中腹からふもとにかけては堆積岩が確認された。水平方向の分布に関して、火山噴出物の分布域が既存の地質図と異なっていたことやシルト岩を中心とした堆積岩の分布が広範囲にわたっていたことから既存の地質図で深野層と認定されていた地層の一部は白沢層に分類できるという可能性を発見し、その考えに基づく地質図を作成した(図1)。
 また調査の過程で名取川流域において凝灰質層に泥岩質の岩石が貫入する砕屑岩脈を確認した。この構造の成因については、化学的な変成に近い変色や、高温で溶融したような痕跡が見られること、全体が直線的に貫入していることから、熱水の噴出に代表されるような火山活動によるものではないかと考え、調査を進めている(写真5,6)。