日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG49] 地球惑星科学におけるレオロジーと破壊・摩擦の物理

2022年6月3日(金) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (24) (Ch.24)

コンビーナ:東 真太郎(東京工業大学 理学院 地球惑星科学系)、コンビーナ:田阪 美樹(静岡大学 )、清水 以知子(京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻)、コンビーナ:桑野 修(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、座長:東 真太郎(東京工業大学 理学院 地球惑星科学系)

11:00 〜 13:00

[SCG49-P09] 一過性の振動がせん断粉体に与える影響

*坂本 龍之輔1波多野 恭弘1 (1.大阪大学)

キーワード:粉体、Dynamic triggering、Stick slip

地震によって放射された地震波が遠方の断層の地震を誘発することがある。この現象はdynamic triggeringと呼ばれる。例えばカリフォルニアでは、地震波による応力変化が~0.1kPaより大きいときにdynamic triggeringが発生する (Van Der Elst and Brodsky, 2010)。地震波による応力変化は地震の応力降下量よりもオーダーで小さい。なぜこのような小さな応力変化が地震を誘発するかを説明する為に様々なメカニズムが提案されている (Hill and Prejean, 2015)。その内の一つとして、地震波によって断層ガウジが揺すられることで生じる断層ガウジの流動化がある。先行研究は断層ガウジが一過性の振動によって流動化することは示したものの (e.g., Ferdowsi et al., 2015; Jhonson et al., 2016)、その物理メカニズムに関する理解は十分ではない。そこで、我々は個別要素法により断層ガウジをモデル化し、一過性の振動に対しどのような応答を示すかを数値的に分析している。具体的にはガウジ層を2枚の基板で上下で挟み、上の板をバネ定数kのバネを介して一定速度Vで引っ張る。これによりstick slip運動が生じる。この状況下において、下の板に一過性の振動を加え、断層ガウジがどのように応答するかを調べている。予備的な数値計算から、先行研究同様、一過性の振動が断層ガウジの流動化を促進することが確認できた (Ferdowsi et al., 2015)。本発表では、予備的な数値計算から得られた配位数や剪断応力の変動の結果を紹介する