日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-07] コロナ禍での在外研究・留学

2022年5月22日(日) 13:45 〜 15:15 303 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:北 佐枝子(建築研究所)、コンビーナ:奥脇 亮(筑波大学生命環境系山岳科学センター)、座長:北 佐枝子(建築研究所)、奥脇 亮(筑波大学生命環境系山岳科学センター)

13:50 〜 14:05

[U07-01] 博士課程学生の在外研究の例: ユトレヒト大学(オランダ)

★招待講演

*奥田 花也1,2 (1.東京大学 大気海洋研究所 海洋底科学部門、2.東京大学 理学系研究科 地球惑星科学専攻)

キーワード:オランダ、博士課程、日本学術振興会 若手研究者海外挑戦プログラム

海溝型地震の発生プロセス理解に向けた室内岩石実験のため2021年にユトレヒト大学(オランダ)に4か月滞在した。滞在開始前にはワクチン接種(2回)を済ませ、オランダの在留許可証の取得後にEU Digital Covid Certificate (DCC)を取得した。8月のオランダ入国時は隔離は不要だったが、12月の帰国時は14日間の隔離(政府が確保した宿泊施設での6日間を含む)が必要であった。

滞在前半は、オランダでは社会活動に関する規制はほとんど解除されており、大学でも対面での授業が再開され、研究室での作業に関する規制もほとんどなかった。しかし、2021年末にはオミクロン株が蔓延したため、12月頭から「ハード」ロックダウンが実施された。 大学の規制では、ハードロックダウン中でも実験室における対面での実験作業は可能だったため実験技術の取得には問題がなかったが、教育活動やゼミ・ミーティングはほぼすべて中止かオンラインとなっていた。オミクロン株が蔓延する前に、学会や欧州各国の大学・研究所での対面での発表の機会があったものの、滞在中の対面での議論はかなり限定的であった。それでも時差がほとんどないことはオンラインでの打ち合わせの設定が柔軟になり、研究を進める上で非常に効果的であった。そのため、コロナの流行状況を考えると今後数年間はオンラインでの議論が中心となると考えられるものの、パンデミック時においても在外研究を実施することは、学位論文執筆を目的とした研究を進める上でも引き続き重要と思われる。国内外のほとんどの研究機関は研究活動を止めないようにしているようだが、残念ながら大学の教育活動については感染状況に対して相対的に大きな影響を受けているように感じた。

発表では訪問前の手続き、訪問中の研究や生活の状況、帰国後の隔離生活などを紹介する。

訪問に関する情報
期間: 2021年8月~12月
場所: ユトレヒト(オランダ)およびヨーロッパ数カ国
研究分野:地震学・実験岩石力学
ファンド: 日本学術振興会 若手研究者海外挑戦プログラム

研究内容については、S-SS07「地震発生の物理・断層のレオロジー」で発表予定である。