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[AHW18-P17] 観光洞窟龍河洞の内部に照明によって形成される微生物群集
キーワード:微生物群集構造、観光洞窟、アンプリコンシークエンス
龍河洞は、高知県香美市にある国指定の天然記念物で石灰岩層の中に形成された鍾乳洞である。1952年に観光客用に蛍光灯の照明が導入された。照明が当たるところにコケなどが発生し、壁面の着色が問題となった。2013年に照明をLEDに切り替えると、受光面積が小さくなったために光度が増加し、コケ・藻類などの繁殖を促進したと考えられた。洞窟壁面を保存するために着色生物の防除のため、光合成生物抑制の目的で光の波長を限定する試みが行われた。その結果、コケなどの発生を軽減できることが示された。一方で、洞窟内壁に着色や劣化をもたらす原因生物はまだ明らかではない。本研究では龍河洞の照明によって受光する部分に発生する微生物群集を調査した。
龍河洞内の観光コース約1kmのうち、照明によって変色した壁面や床面の13箇所において、滅菌された綿棒によって採取した。綿棒よりDNAを抽出し、バクテリア、真菌類、植物類を検出するDNAバーコードを用いて、微生物・植物の多様性を検討した。また、綿棒の培養により増殖した微生物を単離し、その同定を行った。
龍河洞内部には、コケ類、カビ類、藻類が検出された。その中でも青色光の受光部では光合成細菌群、白色光受光部では青色色素を生産する微生物などが検出された。このような色素を持った生物が龍河洞の壁面着色の主要な原因であると考えられる。これらの着色生物は、洞窟に出入りする水や人間によって持ち込まれたと推測される。
龍河洞内の観光コース約1kmのうち、照明によって変色した壁面や床面の13箇所において、滅菌された綿棒によって採取した。綿棒よりDNAを抽出し、バクテリア、真菌類、植物類を検出するDNAバーコードを用いて、微生物・植物の多様性を検討した。また、綿棒の培養により増殖した微生物を単離し、その同定を行った。
龍河洞内部には、コケ類、カビ類、藻類が検出された。その中でも青色光の受光部では光合成細菌群、白色光受光部では青色色素を生産する微生物などが検出された。このような色素を持った生物が龍河洞の壁面着色の主要な原因であると考えられる。これらの着色生物は、洞窟に出入りする水や人間によって持ち込まれたと推測される。