日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2023年5月21日(日) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (4) (オンラインポスター)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、丹羽 淑博(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[G03-P04] 霧箱とシンチレーション検出器の放射線同時観測

*小林 南奈1、秋吉 優史2,3,4 (1.東京電機大学 未来科学部 ロボット・メカトロニクス学科、2.大阪公立大学 工学研究科 量子放射線系専攻、3.大阪公立大学 研究推進機構 放射線研究センター、4.大阪国際感染症研究センター)

キーワード:霧箱、放射線、中高生、アウトリーチ

放射線の軌跡が観察できる霧箱は普及している放射線教材だが、定量的な情報を得ることが難しく、多くの場合は放射線の観察のみに用いられている。一方半導体光センサーなどを用いた放射線検出器は、原発事故以降学校内での線量計として用いられるようになったが、換算された空間線量率のみを表示するタイプが多く、探究活動への応用が難しい。そこで、霧箱とシンチレーション検出器を組み合わせて同時に測定・撮像する観測器を中高生の探究活動への活用を目的として開発している。
 この観測器の開発は川和高校と武蔵中学の中高生が主体となって行っている。検証実験としてペルチェ式霧箱とプラスチックシンチレーターを用いた検出器を組み合わせ、検出器での波高と霧箱の録画情報から得られた放射線種との関係について対応を行い、波高情報から宇宙線ミュオンとベータ線の分別が可能なことを示した。この時、放射線検出器のデータと対応する飛跡を霧箱の録画情報をコマ送りで再生することで同定作業を行ったが、より学校の教育現場でも扱えるように汎用化するため、検出器で放射線を測定した際のトリガーで自動で軌跡を保存・分析するような新しい觀測器を開発している。